
相続土地国庫帰属制度を使うには、いくらかかるのですか?

このご質問はとても多いです。
制度を知った方の多くが、まず
- 申請時にいくら必要なのか
- 承認されたらさらにお金がかかるのか
- 原則20万円とはどういう意味か
- 20万円で済まない場合があるのか
を気にされます。
相続土地国庫帰属制度の費用は、大きく分けると2つです。
ひとつは、申請のときに納める審査手数料、もうひとつは、承認されたあとに納める負担金です。法務省は、審査手数料を一筆当たり14,000円、負担金を原則20万円と案内しています。
この記事では、
- 相続土地国庫帰属制度の費用の内訳
- 審査手数料と負担金の違い
- 負担金が原則20万円とされる理由
- 条件により計算される場合
- いつ支払うのか
を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
相続土地国庫帰属制度の費用は「2段階」で考えるとわかりやすいです
まず結論からいうと、相続土地国庫帰属制度で必要になる費用は、次の2つです。
- 審査手数料
- 負担金
この2つは性質がまったく違います。
審査手数料は、法務局に承認申請をするときに納めるお金です。
一方、負担金は、審査の結果、承認されたあとに納めるお金です。
まず必要になるのは「審査手数料」です
相続土地国庫帰属制度では、申請時に審査手数料を納めます。
この審査手数料は、土地一筆当たり14,000円です。法務省の制度案内でも、この金額が明示されています。
ここで大切なのは、「一筆当たり」という点です。
たとえば、見た目にはひとまとまりの土地でも、登記上は2筆、3筆に分かれていることがあります。
その場合、原則として筆ごとに審査手数料がかかることになります。
審査手数料は、承認されなくても必要です
初心者の方がよく気になるのが、
「もし承認されなかったら、14,000円はどうなるのですか?」
という点です。
審査手数料は、あくまで審査を受けるための費用です。
そのため、申請しても承認されなかった場合に、当然に戻ってくる性質のものではありません。
法務省がこの費用を「承認申請時に納付する審査手数料」と位置づけていることからも、申請段階で必要になる費用と理解しておくのが基本です。
つまり、申請前には、「この土地で制度が使えそうか」をできるだけ整理しておくことが大切です。
承認された後に必要なのが「負担金」です

次に出てくるのが、負担金です。
これは、申請してすぐ払うものではありません。
法務局の審査を経て、相続土地国庫帰属制度の承認がされた後に納める費用です。
法務省の手引きでも、「3 負担金の納付」というステップが承認後に置かれています。
つまり、順番としては、
- 申請時に審査手数料を納める
- 審査を受ける
- 承認されたら負担金を納める
という流れになります。
負担金は「原則20万円」です
相続土地国庫帰属制度の説明で、よく
「20万円かかる」
という話を耳にすると思います。
これは、負担金について、法務省が原則20万円と案内しているためです。
ただし、ここで大切なのは、
すべての土地が一律で必ず20万円というわけではない
という点です。
あくまで「原則」であり、土地の種類や条件によっては、別の計算方法で負担金が定められる場合があります。
なぜ負担金が必要なのですか?
「国に土地を引き取ってもらうのに、なぜ20万円も必要なのですか?」
そう感じる方も多いと思います。
負担金は、国がその土地を引き取ったあとに、一定期間管理していくための費用負担という考え方に基づいています。
負担金については、国有地として通常必要となる10年分の土地管理費相当額を基本に算定されています。
つまり、単なる「手続き費用」ではなく、国が今後その土地を管理する負担を踏まえた費用と考えると理解しやすいです。
どんな土地でも負担金は20万円ですか?
ここは、かなり誤解されやすいところです。
負担金は原則20万円ですが、土地の種類によっては面積や条件に応じて算定する場合があります。
特に、一定の宅地、農用地、森林などでは、政令に基づく算定方式が用いられます。
そのため、
- 「必ず20万円で済む」と決めつけるのも正確ではない
- 「20万円よりかなり高くなる場合もあり得る」
という理解が大切です。
負担金が計算されることがある土地

負担金は原則20万円としつつ、
宅地、農用地、森林など一定の土地については、面積や種別に応じた算定がされる場合があります。
たとえば、法務省の政策評価書では、実例として
- 宅地で74万円
- 農用地で20万円
- 森林で22万9千円
といった例が示されています。
これは、土地の種類や条件によって負担金額が変わることがあることを示しています。
つまり、初心者の方向けにまとめると、
- 出発点は「原則20万円」
- ただし、土地の種類や条件によっては計算される
- その結果、20万円を超えることもある
という理解がわかりやすいです。
隣接する複数の土地は、まとめて計算できることがあります
隣接する2筆以上の土地について、一定の条件を満たす場合には、一つの土地とみなして負担金の額を算定する申出ができます。
これは、土地が登記上は複数の筆に分かれていても、実質的には一体として使われているケースなどを想定したものです。
したがって、複数筆の土地だからといって、いつも単純にその数だけ高くなるとは限らず、
一体評価の申出ができるかどうか
も確認ポイントになります。
結局、最初にいくら準備すればよいですか?
初心者の方にわかりやすく言うと、まず最初に必要になるのは、申請時の審査手数料14,000円×筆数です。
その後、承認された場合に、負担金(原則20万円。条件により算定)が必要になります。
つまり、費用感としては、
- 申請時
審査手数料 14,000円/筆 - 承認後
負担金 原則20万円
という二段階で考えるのが一番わかりやすいです。
費用だけで判断せず、「使える制度か」を先に見ることが大切です
相続土地国庫帰属制度では、費用の話が先に気になりますが、
「いくらかかるか」より前に、「その土地が制度に合う状態か」
を確認することがとても大切です。
なぜなら、建物がある土地や境界が明らかでない土地など、制度の対象外になる事情があると、そもそも負担金の段階まで進まないからです。
そのため、
- まず使える土地か確認する
- 次に申請時の費用を考える
- 承認後に負担金を見込む
という順番で考えるのがおすすめです。
申請時の費用だけでなく、長期的な負担との比較も大切です
相続土地国庫帰属制度を検討するときは、審査手数料や負担金といった目の前の費用だけで判断するのではなく、土地を今後も所有し続けた場合の負担もあわせて考えることが大切です。
たとえば、
- 固定資産税などの継続的な費用
- 現地確認、草刈り、管理の手間
- 将来の相続手続きにかかる負担
- 次の世代へそのまま引き継がれるリスク
などです。
こうした点も含めて比較することで、その土地についてどの方法が適しているのかを判断しやすくなります。
豊中で相続土地国庫帰属制度を考えている方へ

豊中にお住まいの方でも、相続した土地が遠方の山林や空き地、農地であることは少なくありません。
そのため、
- この土地で本当に制度が使えるのか
- 最初にいくら必要なのか
- 20万円で済むのか
- 複数の土地がある場合はどう考えるのか
といった点で迷われることがあります。
相続土地国庫帰属制度の費用は、
「審査手数料14,000円」と「承認後の負担金」
に分けて考えると、かなり整理しやすくなります。
当事務所でも、豊中を拠点に、相続に関する書類整理や手続きのご相談に対応しています。
相続土地国庫帰属制度についても、制度利用の見通しの整理、必要書類の確認、申請準備の流れの整理など、状況に応じてお手伝いできることがあります。
「費用感を含めて、自分のケースで使える制度か確認したい」
そのような段階でも、まずは一つずつ整理していくことが大切です。
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