【第1回】日本版DBSはなぜ今、始まったの?〜子どもを守る制度が必要とされた社会的背景を解説〜

リク
リク

日本版DBSって、最近よく聞くけど…どうして“今”始まったの?

アイミ
アイミ

急に制度が増えて、正直ついていけない…

キリヒラク
キリヒラク

そんなふうに感じていませんか。
知らない言葉が出てくると不安になりますし、まして“犯罪歴の確認”なんて聞くと、身構えてしまいますよね。

でも大丈夫です。
この第1回では、難しい仕組みの話より先に、「なぜ今、日本版DBSが必要になったのか」を、初心者の方にも分かるように丁寧に整理します。

日本版DBSとは、子どもに関わる仕事に就く人について、性犯罪歴がないかを確認する制度です。

制度の目的はとても明確で、子どもを性被害から守ること

保育・教育・福祉・習い事・訪問型サービスなど、子どもと直接・継続的に関わる仕事において、安心・安全な環境をつくるために設けられました。

日本版DBSが生まれた理由は「子どもを守る環境づくり」

まず大前提として、日本版DBSは

  • 誰かを疑うための制度
  • 監視を強めるための制度

というよりも、根っこにあるのは子どもが安心して過ごせる環境を、社会全体でつくろうという考え方です。

子どもに関わる現場(保育・教育・習い事・福祉・訪問サービスなど)は、日々とても大切な仕事に支えられています。

その一方で、万が一のリスクが起きたとき、子どもは自分で自分を守りづらい——ここが大きな課題でした。

だからこそ日本版DBSは、「起きてから対応する」ではなく「起きないように防ぐ」という方向に舵を切った制度、と考えると分かりやすいです。

「子どもが大人と関わる場」が増え、形も変わってきた

「昔も子どもは大人と関わっていたのでは?」
そう思う方もいるかもしれません。もちろんそのとおりです。

ただ、ここ20〜30年で大きく変わったのは、関わる場の数と種類です。

昔は(イメージ)

  • 家庭
  • 学校
  • 地域(近所の人・親戚)

いわば、顔見知りの大人と接する場面が中心でした。

今は(イメージ)

  • 学童、塾、習い事、スポーツクラブ
  • 放課後デイサービス、児童福祉の支援
  • 訪問型サービス(家庭に入る支援)
  • アルバイト・業務委託・フリーランスによる運営

つまり、子どもが出会う大人が増え、運営する人の働き方も多様化してきたんですね。

これは悪いことではありません。便利で、選択肢が増えたとも言えます。

ただその分、「見えにくいリスク」も増えやすくなった

ここが、制度が必要になった背景のひとつです。

「被害が起きてから」では、子どもを守りきれない現実

日本版DBSが“予防”に力点を置くのには理由があります。

性被害は、

  • 周囲が気づきにくい
  • 子ども本人が言い出しにくい
  • 発覚まで時間がかかることもある
  • 心への影響が長く残りやすい

といった特徴があり、起きてからでは取り返しがつきにくい側面があります。

もちろん、何かが起きたときに厳正に対処することは大切です。

それでも、「起きないようにする仕組み」を用意することが、より現実的な守り方だと考えられるようになりました。

“事後対応”だけでは足りない
→ “事前に防ぐ仕組み”が必要

この考え方が、社会的に強まっていったことが、制度導入の大きな流れです。

実は「海外では当たり前」だった

う一つ、知っておくと理解が進むのがこの点です。

海外では、子どもに関わる仕事に就く人について

  • 一定のチェック制度がある
  • 子どもを守るための予防策として運用されている

という国が少なくありません。

日本でも以前から必要性は議論されてきましたが、次のような難しさがありました。

  • プライバシー侵害につながらないか
  • 差別を生まないか
  • どこまで調べてよいのか
  • 誰が扱うのか(情報の管理)

つまり、大事な制度だからこそ、慎重にならざるを得なかったんですね。

その議論が進み、ようやく「法律に基づいた制度」として動かせる形が整ってきた——それが“今”です。

「急に厳しくなった制度」ではなく、段階的に進める設計

「制度が始まった」と聞くと、
「今すぐ全員が義務で対応しないといけないの?」
と焦る方も多いと思います。

でも、日本版DBSは基本的に

  • 対象になる分野を整理しながら
  • 段階的に導入し
  • 運用を整えつつ広げていく

という考え方で設計されています。

ですので、現時点では

すべての人に一律で義務という形にはなりにくい(少なくとも、最初からそうはしない)方向です。

ここは安心材料として持っておいてください。

「まずは知っておく」
「必要なら備える」

それで大丈夫です。

それでも「今のうちに知っておく」価値がある理由

「まだ義務じゃないなら、様子見でいいのでは?」
そう思うのも自然です。

ただ、実務の世界では制度が広がるとき、よくこんなことが起きます。

  • いつの間にか対象になっていた
  • 取引先や顧客から「対応してますか?」と聞かれる
  • 後から慌てて書類やルールを整えることになる

つまり、義務かどうか以前に、信頼や運営の安心のために、早めに理解しておくことが得になるケースが多いんです。

「知らない不安」が一番しんどいので、まず背景を押さえておくだけでも、気持ちはかなり楽になります。

まとめ|日本版DBSが“今”必要になった理由

ここまでを整理すると、日本版DBSが今始まったのは、

  • 子どもと大人の関わり方が多様化した
  • 被害は「起きてから」では守りきれない
  • 海外では予防の仕組みが進んでいた
  • 日本でも議論を重ね、法律に基づく制度として整ってきた

という流れがあるからです。

日本版DBSは、誰かを疑うための制度ではなく、子どもを守る環境を整えるための制度

まずはこの背景を知っておくことが、次に出てくる「仕組み」や「対象」の理解をぐっとラクにしてくれます。

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