
近年、「日本版DBS」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
- なんとなく「犯罪歴の確認」に関係ありそう
- 子どもに関わる仕事だと影響があるの?
- でも、詳しく説明されると難しい
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
この完全ガイドでは、
日本版DBSとこども性暴力防止法の関係を軸に、
制度の背景から実務への影響までを、順を追って丁寧に解説します。
日本版DBSとは何か
日本版DBSとは、子どもに対する性暴力を防止するための仕組みの一つで、一定の条件のもと、国が犯罪歴の確認を行う制度です。
重要なのは、日本版DBSが
- すべての犯罪歴を調べる制度ではないこと
- 事業者が勝手に調べる制度ではないこと
です。
あくまで、
- 法律に基づき
- 本人の同意を前提として
- 国が確認を行う
という、慎重に設計された制度です。
こども性暴力防止法との関係
日本版DBSは、こども性暴力防止法という法律の中に位置づけられています。
この法律は、
- 犯罪が起きた後に罰するためのものではなく
- 起きないようにするための法律
です。
そのため、
- 予防
- 早期発見
- 適切な対処
- 再発防止
といった 包括的な取り組み が定められています。
日本版DBSは、その中の「入口部分(人の受け入れに関する安全確保)」を担う制度です。
日本版DBS=犯罪歴確認「だけ」ではない
ここで大切なポイントです。
日本版DBSは、犯罪歴を調べること自体が目的ではありません。
目的は一貫して、子どもが安心して過ごせる環境を社会全体でつくることです。
そのため、法律全体では
- 行動ルールの整備
- 体制づくり
- 相談・通報の仕組み
- 研修・周知
といった取り組みが重視されています。
日本版DBSの対象になる仕事・ならない仕事
日本版DBSの影響があるかどうかは、業種名や規模では決まりません。
判断の軸となるのは、次の3つです。
- 子どもと直接関わるか
- 継続的・反復的な関わりか
- 業務として関わっているか
この3つが重なるほど、制度との関係は強くなります。
- 教育・保育
- 習い事・学習塾
- 訪問型サービス
- 支援・福祉分野
などは、特に関係が深くなりやすい分野です。
個人事業主・小規模事業者も関係ある?

「一人でやっているから関係ない」とは限りません。
- 個人塾
- 個人教室
- フリーランス講師
- 業務委託で現場に入る人
でも、
- 子どもと直接
- 継続的に
- 業務として
関わっていれば、日本版DBSの考え方が関係します。
法人か個人かは、判断基準ではありません。
日本版DBSは今すぐ義務?
現時点では、
- すべての事業者に一律の義務
- 対応しないと罰則
という制度ではありません。
ただし、
- 段階的に制度が整えられていく
- 対象や運用が明確化されていく
ことが前提とされています。
そのため、
「今は義務ではないが、
知っておく・整理しておく価値は高い」
という位置づけになります。
日本版DBSにおける「認定制度」
日本版DBSでは、一定の基準を満たした事業者を国が認定する制度が想定されています。
これは、
- 義務ではなく
- 積極的に安全確保に取り組む事業者であることを示す仕組み
です。
認定を受けることで、
- 利用者・保護者への信頼性
- 取引先への説明
- 対外的な評価
につながる可能性があります。
児童対象性暴力等対処規程の重要性
こども性暴力防止法の実務の中核となるのが、児童対象性暴力等対処規程です。
これは、
- 性暴力や不適切行為を
- どう予防し
- どう対応し
- どう再発防止するか
を定めた、事業者内部のルールです。
日本版DBSだけでは、子どもを守る体制は完成しません。
対処規程があって初めて、現場で動ける仕組みになります。
よくある誤解と注意点
- 同意があれば何でもできる → ✕
- 犯罪歴があれば即排除 → ✕
- 小規模だから不要 → ✕
日本版DBSは、
- 排除の制度ではなく
- 判断と配慮のための制度
です。
過剰な対応も、無関心も、どちらもトラブルにつながりやすい点に注意が必要です。
今からできる現実的な準備
今の段階で必要なのは、
- 制度を知る
- 自分の業務との関係を整理する
- 説明できる状態にしておく
この3点です。
書類を完璧に整える必要はありません。
日本版DBSについて行政書士がサポートできること

最後に、実務面での支援について整理します。
● 日本版DBSの認定制度への対応整理
- 認定要件の確認
- 認定対象となり得るかの整理
- 認定に向けた体制・書面の準備支援
● 児童対象性暴力等対処規程の作成
- 事業内容に即した規程作成
- 現場で使える内容への落とし込み
● 規程・説明文・体制づくり
- 内部規程
→ 児童対象性暴力等対処規程
→ 採用時・配置時の確認手続マニュアル
→ 内部通報・相談体制の規程
→ 教育・研修計画
→ 組織体制図
→ 個人情報管理ルール
※賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、就業規則の作成は、社会保険労務士の独占業務となります。 - 説明資料
- 業務フロー・役割分担
● 段階的な対応整理
- 今やること
- 将来必要になること
- 無理のない進め方の整理
行政書士は、犯罪歴を調べる役割ではなく、制度を「現場で機能させる」ための整理役です。
まとめ
- 日本版DBSは、こども性暴力防止法の一部
- 犯罪歴確認だけの制度ではない
- 対処規程と体制づくりが重要
- 今は「理解と整理」の段階
- 一人で抱え込む必要はない
日本版DBSは、正しく知れば、過度に怖がる制度ではありません。
子どもの安全を真剣に考える事業者ほど、「どうすればいいか」で悩みます。
その悩みを整理すること自体が、すでに大切な一歩です。
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