相続土地国庫帰属制度を利用できる人・できない人とは?共有名義や遺贈の扱いもわかりやすく解説【豊中の行政書士】

アイミ
アイミ

相続した土地を国に引き取ってもらえる制度があるのはわかった。
でも、自分はその制度を使えるの?

キリヒラク
キリヒラク

ここは、多くの方が最初に気になるポイントです。

相続土地国庫帰属制度は、相続した土地の悩みを解決する手段のひとつですが、誰でも使える制度ではありません。
ただし、逆にいうと、制度で決められた条件に当てはまれば利用できる可能性があります。

この記事では、

  • どんな人が利用できるのか
  • 利用できないのはどんなケースか
  • 共有名義の土地はどうなるのか
  • 遺贈で取得した土地は対象になるのか

を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

まず結論からいうと、この制度を利用できるのは、

相続または遺贈によって土地の所有権または共有持分を取得した人です。
ただし、遺贈については「相続人に対する遺贈」に限られます。

少しわかりやすく言い換えると、次のようになります。

利用できる代表例

  • 親が亡くなり、子どもが土地を相続した
  • 配偶者が亡くなり、妻や夫が土地を相続した
  • 遺言で、法定相続人に土地を遺贈した
  • 相続により、土地の共有持分を取得した

このような場合は、制度の利用を検討できる可能性があります。

「相続した人」なら誰でも使えるわけではない

ここで注意したいのが、
「相続で関わった人」なら全員が使えるわけではないという点です。

制度の対象になるのは、あくまで土地の所有権または共有持分を取得した人です。
つまり、相続人であっても、その土地を取得していない人は、その土地について申請者にはなれません。

たとえば、兄弟3人の相続で、

  • 長男がその土地を取得した
  • 次男と三男は現金など別の財産を取得した

という場合、その土地について制度を利用する立場になるのは、原則としてその土地を取得した長男側です。

売買や贈与で取得した土地は対象外です

この制度は、あくまで相続で受け継いだ土地の負担に対応するための制度です。
そのため、次のようなケースは対象外です。

利用できない代表例

  • 売買で購入した土地
  • 生前贈与で受け取った土地
  • 相続人ではない人が遺贈で取得した土地
  • 法人が所有している土地

法務省のQ&Aでも、遺贈は法定相続人に対するものに限られ、法定相続人以外の者が遺贈により取得した土地は対象外とされています。

遺贈なら何でも対象になるわけではありません

「遺贈なら使える」と思われがちですが、ここはとても大切なポイントです。

相続土地国庫帰属制度で対象になる遺贈は、相続人に対する遺贈だけです。

対象になる例

父が遺言で、長男に土地を遺贈した
→ 長男が法定相続人であれば対象になり得ます。

対象にならない例

父が遺言で、内縁の夫や妻、友人、知人、法人に土地を遺贈した
→ その受遺者が法定相続人でない場合は対象外です。

つまり、遺言がある場合でも、
「誰に遺贈したのか」をきちんと確認する必要があります。

共有名義の土地はどうなる?

相続では、土地が共有名義になることも少なくありません。

たとえば、

  • 母の土地を子ども2人で共有した
  • 兄弟3人で3分の1ずつ持分を取得した

というようなケースです。

この場合、相続土地国庫帰属制度は使えます。

ただし、共有者全員で共同して申請する必要があります

1人だけで単独申請することはできません。

共有者の一部だけが「国に返したい」と思っている場合は?

ここは実務でもよく問題になります。

たとえば、兄と妹の共有名義の土地で、

  • 兄は「もういらないので国に返したい」
  • 妹は「そのまま持っていてもいい」

と考えている場合です。

このようなケースでは、共有者全員で共同申請する必要があるため、1人だけでは申請できません。

そのため、共有土地では、制度の話に入る前に、

  • 誰が共有者なのか
  • 全員の意向が一致しているか
  • 連絡が取れる状態か

を確認することがとても大切です。

他の共有者が「相続で取得した人」でなくても申請できる?

この点も誤解されやすいところですが、法務省の案内では、
共有地については、相続や遺贈によって持分を取得した相続人を含む共有者全員で申請する必要があるとされています。

この場合、他の共有者については、相続以外の原因で持分を取得していても申請に加わることができる形で案内されています。

つまり、共有関係がある土地では、
一部の共有者が相続で取得していれば、一定の場合に共有者全員での共同申請が問題になります。

ここは個別事情で判断が分かれやすいため、共有名義の土地は早めに確認した方が安心です。

相続人が複数いる場合はどう考える?

相続人が複数いる場合でも、考え方の基本はシンプルです。

遺産分割前の場合

まだ誰がその土地を取得するか決まっていない段階では、相続関係の整理が必要になります。
制度利用の前提として、申請の主体をはっきりさせる必要があります。

遺産分割後の場合

土地を取得した人、または共有取得した人が申請の中心になります。
共有なら共有者全員での共同申請が必要です。

つまり、相続人が多い場合ほど、

  • 誰が土地を取得したのか
  • 単独所有なのか共有なのか
  • 共有者全員が同意しているのか

を整理することが重要になります。

相続登記をしていなくても申請できる?

ここも非常に大切なポイントです。

相続土地国庫帰属制度では、相続登記をしていなくても申請できます。

被相続人名義のまま申請し、承認後は法務局が必要な所有権移転登記を行う運用が案内されています。

そのため、

「まず相続登記をしないと制度が使えないのでは?」

と不安に思っている方もいますが、必ずしもそうではありません。

ただし、申請にあたっては相続関係や土地の状況を示す書類が必要になるため、
登記が不要だから何も準備しなくてよいという意味ではありません。

書類の整理はしっかり必要です。

法人は利用できる?

制度の出発点は、相続等により土地を取得した者が申請する仕組みです。

そのため、通常、法人所有地や法人が相続以外で取得した土地は対象になりません。

個人の相続問題を前提にした制度ですので、法人名義の土地処分とは考え方が異なります。

ただし、共有者の1人が法定相続人で、もう1人が法人の場合は制度の対象になります。

「利用できる人」の条件を簡単にまとめると

初心者の方向けに、ここまでを簡単に整理すると、次のようになります。

利用できる可能性がある人

  • 相続で土地を取得した人
  • 相続で共有持分を取得した人
  • 相続人に対する遺贈で土地を取得した人
  • 共有地について共有者全員で申請できる人たち

利用できない主な人

  • 売買で土地を取得した人
  • 贈与で土地を取得した人
  • 相続人ではない受遺者
  • 共有者のうち単独で申請しようとしている人
  • 法人所有地について、単独で申請しようとしているケース

制度が使えるか迷ったら、まず確認したい3つのこと

実際に制度利用を検討するなら、まず次の3点を確認すると整理しやすいです。

土地を取得した原因は何か

相続なのか、遺贈なのか、売買や贈与なのか。
ここで対象になるかどうかが大きく分かれます。

単独所有か共有か

共有なら共有者全員の関与が必要です。

遺贈なら相続人に対するものか

遺言がある場合は、誰が受け取ったのかが重要です。

豊中で相続土地国庫帰属制度のご相談を考えている方へ

相続した土地の悩みは、

  • そもそも自分が申請できるのか
  • 共有名義でも進められるのか
  • 遺言でも制度が使えるのか

といった、入口の段階でつまずくことがとても多いです。

特に、相続人が複数いるケースや、共有名義、遺贈が絡むケースでは、
制度そのものを知っているだけでは足りず、自分のケースに当てはめて整理することが大切です。

豊中市で、

  • 相続した土地をどうするか悩んでいる
  • 国庫帰属制度が使えるか確認したい
  • 共有名義の土地について相談したい

という方は、早めに整理しておくと次の手続きが進めやすくなります。

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