
ここまでシリーズを読んでくださり、ありがとうございます。
- 日本版DBSとは何か
- なぜ始まったのか
- こども性暴力防止法との関係
- 犯罪歴の確認の考え方
- 対象になる仕事・ならない仕事
- 個人事業主との関係
- 誤解やトラブル、今後の影響
かなり全体像が見えてきたのではないでしょうか。
一方で、ここまで理解が進むと、
多くの方が次の段階の悩みに直面します。

「考え方は分かった。
でも、自分の事業の場合、
何をどう整えればいいのかが分からない…」

誰かにサポートをお願いできる?

この最終回では、
そうしたときに行政書士がどんな形でサポートできるのかを、
具体的に、かつ分かりやすくお伝えします。平易な言葉でお答えします。
日本版DBSは「分かった人ほど悩む制度」です
まずお伝えしたいのは、悩むのは正常だということです。
日本版DBSは、
- 白か黒かで判断しにくい
- グレーゾーンが多い
- 業務内容ごとに考える必要がある
という特徴があります。
そのため、
- 何も知らない人は悩まない
- 少し知った人が一番不安になる
- きちんと理解しようとする人ほど立ち止まる
という構造になりやすい制度です。
ここで一人で抱え込む必要はありません。
行政書士がサポートできるのは「警察対応」ではありません
まず、よくある誤解を整理します。
行政書士は、
- 犯罪歴を調べる
- 警察に照会する
- 本人に代わって申請する
といったことは できません。
日本版DBSにおける犯罪歴の確認は、あくまで 法律にもとづいて国が行うもの です。
では、行政書士は何をサポートできるのでしょうか。
日本版DBSに関して、行政書士がサポートできること
① 日本版DBSにおける「認定制度」への対応サポート
日本版DBSでは、
国が定める枠組みに基づき、
一定の基準を満たした事業者を「認定」する制度
が想定されています。
この認定は、
- すべての事業者に義務づけられるものではなく
- 子どもの安全確保に積極的に取り組んでいる事業者であることを、外部に示す仕組み
という位置づけです。
行政書士は、次のような点をサポートできます。
- 認定制度の内容・要件の整理
- 自社(自事業)が認定対象となり得るかの整理
- 認定に必要とされる体制・書面の確認
- 認定申請に向けた事前準備の支援
「認定を取るかどうかを決める前段階」で、判断材料を整理する役割を担います。
② 児童対象性暴力等対処規程をはじめとした規程・文書作成
日本版DBS・こども性暴力防止法の実務対応において、中核となるのが 児童対象性暴力等対処規程 です。
行政書士は、
- 事業内容に合わせた
- 過不足のない、現実的な規程
を作成・整備することができます。
具体的には、
- 児童対象性暴力等対処規程
- 子ども安全方針・行動規範
- 相談・通報・初動対応に関する内部ルール
- 従事者・委託先向けの説明文・誓約文
- 保護者・利用者向けの説明資料
- 性犯罪履歴といった要配慮個人情報(センシティブ情報)の取り扱いを定めた個人情報保護規定
などを、一貫した考え方で整理します。
「雛形を当てはめる」のではなく、その事業に合った文書を設計することが重要です。
③ 実際に機能する「体制づくり」の支援
規程や書類は、作ることが目的ではありません。
現場で動ける体制になって初めて意味を持ちます。
行政書士は、
- 誰が、どの役割を担うのか
- 相談・報告は、どのルートで行うのか
- 何かあったとき、最初に何をするのか
といった点を整理し、
- 体制図
- 業務フロー
- 役割分担表
などの形に落とし込みます。
「万が一のときに、慌てず動ける状態」を作るための支援です。
④ 将来を見据えた段階的な対応の整理
日本版DBSは、
- 今後、制度内容が具体化されていくこと
- 対象範囲や運用が整理されていくこと
が前提となっています。
行政書士は、
- 今は対応しなくてよい部分
- 今のうちに整理しておくと安心な部分
- 将来、対応が必要になりそうな部分
を分けて考え、段階的な対応の考え方を整理します。
「全部を今やる」でも
「何もしない」でもない、
現実的な中間点を一緒に考えます。
日本版DBSは「一人で抱え込む制度」ではありません
日本版DBSは、
- 内容が複雑で
- グレーゾーンが多く
- 事業ごとに事情が異なる
制度です。
だからこそ、一人で完璧に判断しようとしなくていいという点を、最後にお伝えしたいと思います。
- 自分の事業は、どこまで関係するのか
- 認定を目指すべきかどうか
- どんな規程や体制が適切か
こうした点を整理すること自体が、すでに 子どもの安全を真剣に考えている証拠です。
まとめ
- 日本版DBSは、犯罪歴確認だけの制度ではない
- 認定制度・体制整備・規程作成が重要になる
- 行政書士は「確認」ではなく「整理と設計」を支援する
- 早めに整理しておくことで、将来の不安が小さくなる
日本版DBSは、正しく知り、落ち着いて向き合えば、過度に恐れる制度ではありません。
もし、
- 自分の事業の場合を一度整理してみたい
- 認定制度への対応を検討したい
- 児童対象性暴力等対処規程を整えたい
と感じたときは、行政書士という選択肢があることを、思い出していただければと思います。
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