
とりあえず同意書を取ればいいのでは?

うちは小規模だから大丈夫
まだ義務じゃないなら、深く考えなくても…

日本版DBSについて調べていると、
こうした考えが頭をよぎることがあります。
ですが、日本版DBSは
“悪意がなくてもトラブルになりやすい”制度でもあります。
この第7回では、
実際に起こりやすい誤解やトラブルのパターンをもとに、
「どこに注意すれば防げるのか」をやさしく整理します。
誤解①「同意をもらえば、何をしてもいい」
これは、最も多い誤解です。
「本人の同意があるなら、
犯罪歴を調べたり、情報を管理したりしても問題ないのでは?」
と思ってしまいがちですが、これは正確ではありません。
なぜ問題になるのか
日本版DBSでは、
- 本人の同意は必要条件
- しかし それだけで十分ではない
という考え方が取られています。
- 誰が
- どの範囲で
- どんな目的で
情報を扱うかは、法律で厳しく限定されています。
👉
「同意がある=自由に扱ってよい」ではありません。
誤解②「犯罪歴があったら、すぐ排除しないといけない」
これも、よくある誤解です。
日本版DBSは、該当する犯罪歴があった人を、自動的に排除する制度ではありません。
トラブルになりやすい例
- 何の検討もなく配置を外す
- 十分な説明なく業務から排除する
- 本人の話を聞かないまま判断する
こうした対応は、
- 不当な差別
- 説明責任不足
として問題になる可能性があります。
日本版DBSは、
「判断の材料」を得る制度であって、「即アウト」を決める制度ではありません。
誤解③「小規模・個人だから関係ない」
第6回でも触れましたが、
これはトラブルにつながりやすい考え方です。
よくあるケース
- 個人教室なので制度を確認していなかった
- 業務委託だから対象外だと思っていた
- 子ども向けが一部だけなので無視していた
後になって、
- 保護者から質問を受ける
- 取引先から体制を確認される
といった場面で、説明できずに困ることがあります。
規模の問題ではなく、業務内容の問題です。
誤解④「まだ義務じゃないから、何もしなくていい」
確かに、日本版DBSは、現時点では一律の義務ではありません。
ですが、
- 知らなくてよい
- 無視してよい
という意味ではありません。
実務で起きやすいトラブル
- 制度を知らずに説明ができない
- 「対応していない=危険なのでは?」と誤解される
- 後から慌てて対応することになる
“現状一律の義務ではないが、説明責任は生じうる”
これが、日本版DBSの難しいところです。
誤解⑤「書類さえ整えれば安心」
「同意書を作って、マニュアルを用意すれば大丈夫」
と考えるのも、少し危険です。
なぜなら、日本版DBSでは、
- 実態としてどう運用しているか
- 現場でどう説明しているか
も、重要視されます。
- 書類はあるが、内容を理解していない
- 現場で説明がバラバラ
という状態は、かえって不信感を招くこともあります。
トラブルを防ぐために意識したいポイント

ここまでの誤解を踏まえて、トラブルを防ぐためのポイントを整理します。
目的を忘れない
- 日本版DBSは「子どもを守るため」
- 誰かを疑う制度ではない
必要最小限を意識する
- 情報の取得・利用は限定的に
- 過剰な対応はしない
説明できる状態を作る
- 保護者・従事者から聞かれたとき
- 自分の言葉で説明できるか
判断に迷うことを前提にする
- グレーゾーンは必ず存在する
- 一人で抱え込まない
「誤解しやすい制度」だと理解することが最大の予防策
日本版DBSは、
- 内容が複雑
- 言葉が強く聞こえやすい
- 価値観がぶつかりやすい
という特徴があります。
だからこそ、
「誤解されやすい制度だ」と理解したうえで向き合うこと
が、最大のトラブル回避策になります。
まとめ|第7回のポイント
- 同意があれば何でもできるわけではない
- 犯罪歴があっても即排除ではない
- 規模の大小は判断基準ではない
- 義務でなくても説明は求められる
- 書類より「考え方」と「説明」が大切
「間違えないようにしなきゃ」と構えるより、
制度の趣旨を理解して、丁寧に向き合う
それが、日本版DBSとの一番安全な付き合い方です。
ご相談はこちらから!

