
制度の考え方は分かったけど、結局うちは対象なの?
学校や保育園だけの話じゃないの?

個人でやっている仕事でも関係ある?

この第5回では、
日本版DBSの“対象になる仕事・ならない仕事”を、できるだけ具体的に整理します。
読み終えたときに
「自分は、関係ありそう/なさそう」
が判断できることを目標にします。
まず大前提|「業種名」だけでは決まりません
最初に、とても大事なポイントです。
日本版DBSは、「どんな業種か」だけで機械的に決まる制度ではありません。
ポイントになるのは、
実際の仕事の中身(子どもとの関わり方)です。
日本版DBSで重視される3つの視点
対象かどうかを考えるときは、次の3つの視点で整理すると分かりやすくなります。
① 子どもと「直接」関わるかどうか
なぜ重視されるのか
日本版DBSの目的は、
子どもが安心して過ごせる環境をつくることです。
そのため、
- 実際に顔を合わせる
- 会話をする
- 指導・支援・世話をする
といった 直接的な接点 があるかどうかが、
まず最初の判断ポイントになります。
「直接関わる」とは、どういうこと?
次のような場面は、一般的に「直接関わる」と考えられやすいです。
- 授業やレッスンを行う
- 子どもを見守る・世話をする
- 相談に乗る
- 家庭や施設で一緒の空間にいる
一方で、
- 子どもと顔を合わせない事務作業
- 裏方のみの業務
- データ管理・経理など
は、直接関わるとは言いにくいケースです。
👉
「子どもと同じ空間で過ごすか」が、一つの目安になります。
② 継続的・反復的な関わりかどうか
なぜ「一度きり」か「継続」かが重要なのか
性暴力防止の観点では、
一度だけの偶発的な接触よりも定期的・継続的な関係
の方が、リスク管理が重要だと考えられています。
そのため、日本版DBSでは関わりの「回数」や「期間」も重視されます。
継続的・反復的とされやすい例
- 毎週・毎月のレッスン
- 長期間の支援・指導
- 同じ子どもと繰り返し接する業務
子どもと 関係性が積み重なっていく仕事 は、制度との関係が強くなります。
継続とは言いにくい例
- 年に1回だけのイベント
- 不特定多数が出入りする短時間対応
- 一度限りの見学対応
ただし、単発でも密室性が高い場合などは、別の視点と組み合わさって判断されることがあります。
③ 「業務として」関わっているかどうか
なぜ「仕事かどうか」が重要なのか
日本版DBSは、
- 雇用
- 業務委託
- 事業としての活動
など、社会的な責任を伴う関わりを前提とした制度です。
そのため、
個人的な付き合いではなく、仕事・役割として子どもと関わっているか
が、重要な判断軸になります。
業務として関わる例
- 雇用されて働いている
- 業務委託でサービスを提供している
- 個人事業主として教室を運営している
法人か個人かは関係ありません。
「業務性があるかどうか」がポイントです。
判断が分かれやすいケース
- ボランティア活動
- 地域の手伝い
- 無償の支援
これらでも、
- 継続的
- 組織的
- 責任の所在が明確
といった場合には、業務に近い扱いになる可能性があります。
3つの視点を一言で言うと
- 直接性:子どもと実際に接するか
- 継続性:関係が積み重なる仕事か
- 業務性:責任ある仕事として行っているか
この3つが重なるほど、日本版DBSとの関係は強くなります。
日本版DBSの対象になりやすい仕事(代表例)
● 教育・保育分野
- 保育園・幼稚園
- 認定こども園
- 小学校・中学校・高校
- 学童保育
子どもと日常的に接するため、最も典型的な対象分野です。
● 習い事・教育サービス
- 学習塾
- スポーツ教室
- 音楽・美術・プログラミング教室
- 個人指導(マンツーマン含む)
👉規模の大小や、法人・個人は関係ありません。
● 福祉・支援系サービス
- 放課後等デイサービス
- 児童福祉施設
- 子ども向け支援事業
支援の性質上、より丁寧な配慮が求められる分野です。
● 訪問型サービス
- 家庭訪問型の支援
- 子どもがいる家庭に入る業務
「家庭に入る」「密室性が高い」という点が重視されやすいです。
対象になりにくい仕事(一般的な例)
● 子どもと直接関わらない業務
- 事務作業のみ
- システム管理
- 清掃・設備管理(接触がほぼない場合)
● 単発・偶発的な接点のみ
- 一度きりのイベント対応
- 不特定多数が出入りする場所での短時間対応
ただし、業務内容次第で判断が変わる点には注意が必要です。
グレーゾーンが一番多い(ここが悩みどころ)
実務で一番多いのが、「完全に対象」「完全に対象外」と言い切れないケースです。
- 個人で教室を運営している
- 業務委託スタッフを使っている
- 子ども向けがメインではないが、一定数いる
- オンライン中心だが、対面もある
こうした場合、「どの業務で、どの程度、子どもと関わるか」を切り分けて考えることが重要になります。
「法人か個人か」は、判断基準ではありません
よくある誤解として、
- 法人だから対象
- 個人事業主だから対象外
と考えてしまうケースがあります。
ですが、日本版DBSでは、法人か個人かは、本質的な判断基準ではありません。
- 個人事業主でも対象になることはある
- 法人でも、業務内容によっては対象外の部分がある
というのが実際の考え方です。
判断に迷ったら、ここを整理してみてください

次の質問に「はい」が多いほど、
日本版DBSとの関係は強くなります。
- 子どもと1対1で関わる場面がある
- 定期的に子どもと接する
- 家庭や閉じた空間に入ることがある
- 業務として責任をもって関わる
すべて「はい」なら、何らかの形で制度を意識しておく価値が高いといえます。
今は対象でなくても、将来変わることもある
もう一つ、大切な視点です。
- 事業拡大
- サービス内容の変更
- 対象年齢の拡張
- 新しいスタッフの採用
こうした変化によって、今は対象外でも、将来対象になることは十分に考えられます。
「今は関係ないから終わり」ではなく、変化したときに判断できる知識を持っておくことが大切です。
まとめ|第5回のポイント
- 日本版DBSは、業種名だけで決まらない
- 判断の軸は「子どもとの関わり方」
- 教育・保育・習い事・訪問型は対象になりやすい
- 個人事業主でも対象になることがある
- グレーゾーンは業務内容を分けて考える
「対象かどうか分からない」という悩みは、
あなただけではありません。
大切なのは、制度を正しく知ったうえで、落ち着いて判断することです。
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