
こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
今回は、

ブリーダーとしての適正な飼養頭数って?

行政から指導を受けたらどうすればいいの?

と不安に思っている方へ向けて、飼養頭数の管理ルールや行政対応のポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。
ブリーダーに求められる飼養頭数の適正管理とは?
動物愛護管理法では、動物の健康や快適な生活環境を守るために、一人の飼育管理者が適切に世話できる頭数の上限が定められています。
これは「適正飼養頭数基準」と呼ばれ、環境省のガイドラインや自治体の条例で具体的に規定されています。
例:犬猫の飼養頭数基準(※一例)
- 成犬:一人あたり20頭程度が上限目安
- 成猫:一人あたり30頭程度が上限目安
- 幼齢個体を含む場合はさらに減数が必要
この基準を超える飼育をしていると、「適正管理義務違反」と見なされる可能性があります。
よくある過剰飼育とそのリスク
ブリーダーの現場では、計画的な繁殖管理をせず、結果的に飼養頭数が増えすぎてしまうケースがあります。以下のような問題が発生しやすくなります。
- 個々の動物への世話が行き届かない
- 糞尿の管理不足による不衛生な環境
- 鳴き声・臭いによる近隣トラブル
- 病気の早期発見ができない
これらはすべて、行政の立入検査や指導、最悪の場合は営業停止・登録取消処分の対象になりえます。
行政対応が必要になるケースと流れ
行政対応が必要になる主なケース
動物取扱業として登録を受けているブリーダーさんは、法律や条例のルールを守って営業する義務があります。
特に以下のようなケースでは、速やかに行政への届出・申請、または相談・指導対応が必要になります。
ケース | 内容 | 必要な行政対応 |
---|---|---|
① 飼養頭数の上限を超えた | 登録時の届出頭数を超えて動物を飼養 | 速やかに頭数変更の届出 |
② 動物取扱責任者を変更した | 責任者が退職・交代・不在 | 30日以内に責任者変更届 |
③ 飼養施設を増設・移転した | 飼養スペースを広げた、新しい場所に移動 | 新施設の基準確認と届出 |
④ 店名や事業所名を変更した | 屋号や法人名を変更 | 30日以内に変更届 |
⑤ 登録証を紛失・破損した | 登録証の再発行 | 再交付申請 |
⑥ 事業を一時休止・廃業する | 営業を辞める、長期休止 | 廃業届または休止届 |
⑦ 動物の大量死や感染症発生 | 伝染病の発生や多数の死亡事故 | 速やかに保健所へ報告 |
⑧ 苦情が多発した | 鳴き声・臭気・管理状態への苦情 | 行政による立入検査・指導 |
⑨ 動物愛護法の改正があった | 設備基準や管理基準の変更 | 行政からの指導・変更対応 |
⑩ 他の飼い主から譲渡依頼を受けた | 事業外の譲渡・保管依頼 | 動物取扱業の範囲確認と届出 |
行政対応の流れ
例えば「飼養頭数の上限を超えてしまった」場合の流れを例に、手続きの進め方をご説明します。
まず現在の登録内容(飼養頭数、飼養施設、動物取扱責任者の情報)を確認。
事前に保健所または動物愛護センターへ電話・窓口で相談し、必要な手続き・書式を確認。
変更届出書、飼養施設の図面、写真、頭数の内訳表などを準備。
指定の期限内に提出。飼養施設の現地確認が行われる場合もあります。
審査後、問題なければ登録内容が変更され、新しい登録証が交付されます。
改善命令・指導があれば、その内容に従い、改善報告を行う必要があります。
行政対応を怠るとどうなる?
もし届出や改善を怠ると、以下のような処分が科されることがあります。
- 指導書の交付
- 改善命令
- 業務停止命令
- 登録取消
- 刑事罰(50万円以下の罰金)
ペット業界は地域の目も厳しいので、早めの対応が大切ですね。
飼養頭数を適正に管理するためのポイント

飼養数が基準内に収まるよう、日常的な管理体制の整備が求められます。
● 定期的な頭数チェックと記録
繁殖状況、死亡・譲渡・売却などの記録をこまめに残し、常に現状の頭数を把握できるようにしましょう。
● 繁殖制限の計画管理
無計画な繁殖は頭数オーバーの最大原因です。交配の時期やペースを明確にコントロールしましょう。
● スタッフの配置計画
飼養頭数に対して世話をするスタッフの人数が足りないと、適正管理は難しくなります。
人員体制の見直しも重要です。
行政書士ができるサポート内容

自分で適正かどうか判断できない

行政の対応に不安がある

という方には、行政書士によるサポートが有効です。
【主なサポート内容】
- 飼養頭数の管理台帳・記録様式の整備支援
- 行政からの指導対応サポート(改善報告書の作成など)
- 更新・変更時の申請書類の作成代行
- 飼養施設や管理体制のチェックとアドバイス
特に初めて指導を受けた方や、改善措置が必要な方は、専門家と一緒に対応することで、トラブルの長期化や深刻化を防げます。
まとめ
ブリーダー業を継続していくためには、飼養頭数の適正管理と行政対応への備えがとても重要です。
トラブルを防ぐためにも、日頃から記録と体制を整えておくことが大切です。

今の飼養状況で大丈夫か不安

行政から指導を受けたが、どうすればいいのかわからない

という方は、ぜひ行政書士にご相談ください。
事業の健全な継続をしっかりサポートいたします。
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