
こんにちは、キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
ドローンで素敵な映像が撮影できたとき、SNSやYouTubeなどにアップして多くの人に見てもらいたいですよね。
でも、実はその映像を公開する前に“必ず確認しておくべきポイント”がいくつかあります。
うっかりするとトラブルになるケースも多いため、今回はSNS投稿・映像公開前のチェックと同意の取り方について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
映像公開前のチェックポイントとは?
ドローンで撮影した映像は、上空からの美しい景色や建物、イベントの様子など魅力的な素材がたくさん。しかし、以下の点を必ず確認しましょう。
- 人物が映り込んでいないか
- 映り込んでいる場合、その方の同意を得ているか
- 企業ロゴ・看板・広告物が映っていないか
- 撮影地の管理者の許可を得た映像か
- 商用利用・営利目的でないか
こうした確認を怠ると、肖像権侵害や著作権・商標権トラブル、さらには管理者との問題に発展することもあります。
映像内に映り込む人物の肖像権について
肖像権とは、本人の許可なく顔や姿を撮影・公開されない権利のこと。
たとえ偶然映り込んでしまった場合でも、本人から「削除してほしい」「掲載しないで」と言われれば対応しなければなりません。
許可を取るタイミング
- 撮影前に説明と同意を得るのが理想
- イベントなど不特定多数の場合は、注意喚起の掲示を行う
- 映像利用承諾書への署名をもらうと安心
背景の看板・広告物にも注意が必要
実は背景に映る看板やロゴ、広告物も注意が必要です。
企業のロゴや広告物には著作権や商標権が絡むため、無断利用は避けるのが基本。
例えば、飲食店の大きな看板が映り込んだ映像を無断でSNS投稿した結果、その企業から削除要請が届いた事例も。
なるべく看板・広告は映らないよう撮影し、どうしても映る場合は事前に了承を得ることが安全です。
商用利用する場合の注意点
例えばYouTubeの収益化チャンネルにアップする場合、映像が営利目的と見なされ、肖像権や著作権の侵害リスクが高まります。
特に以下のケースでは必ず同意を得ましょう。
- 被写体の顔がはっきり映る映像
- 第三者の敷地内での撮影映像
- 企業のロゴや商品名が映る映像
商用利用時は映像利用承諾書の締結が実務上の基本。
口頭での同意だけでは、トラブル時の証拠になりにくいため、書面を残しておくのが確実です。
SNS投稿・映像公開時のトラブル事例
実際に多いトラブル例をいくつかご紹介します。
- 河川敷で撮影した映像にジョギング中の人物が映り、削除依頼が届いた
- 商店街上空を撮影しSNS投稿したら、背景の企業看板から削除要請
- イベント映像をYouTubeにアップし、来場者から肖像権侵害でクレーム
- 撮影許可がない公園映像を公開し、自治体から警告
いずれも事前の確認と同意があれば防げるトラブルです。
映像利用承諾書・同意書の取り方と実務例
映像利用承諾書の基本的な記載内容
- 撮影日時・場所
- 使用目的・公開媒体(SNS、YouTubeなど)
- 映像の利用範囲(商用・非商用)
- 承諾者の署名・捺印
実務例
- 撮影当日に紙で用意し署名をもらう
- イベント会場で掲示し「映像に映る可能性があります」と周知
- 小規模イベントなら受付で承諾書記入を促す
以下より、映り込み同意書・映像利用承諾書のテンプレートサンプルをダウンロードいただけます。
もし必要でしたら、ご活用くださいませ。
よくある質問(FAQ)
- イベント会場の掲示だけで大丈夫?
- 不特定多数の場合は掲示が基本。ただし、商用映像なら個別同意を取るのが安心。
- 看板が一瞬映っただけなら問題ない?
- 問題となる場合も。特にブランドロゴや著名な建物は要注意。
- 収益化していないYouTubeでも同意は必要?
- 必要。商用でなくても肖像権や著作権は発生します。
まとめと次回予告
今回はSNS投稿・映像公開前のチェックポイントと同意の取り方について詳しく解説しました。
撮影後のチェックも、飛行と同じくらい大切です。
特に肖像権や映り込みの確認、映像利用承諾書の実務対応をしっかり行うことで、後々のトラブルを避けられます。
次回予告
第6回 ドローン保険の実際の使い方と事故時の流れ
「万一、ドローン事故が起こったとき、どのように保険を活用するのか?」
事故後の初動対応から保険会社への連絡、補償の範囲や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します!
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