ドローン保険とは? その概要と目的

ドローンを飛ばす際、「もしも事故が起こったら?」と不安に感じたことはありませんか?

実際に、ドローンによる人身事故や物損事故は年々増加しており、万が一の事態に備えることが重要です。

そこで役立つのが「ドローン保険」です。

ドローン保険とは、飛行中のドローンが引き起こした事故に対して、損害賠償や修理費用などを補償する保険のことです。

特に業務でドローンを使用する場合、適切な保険に加入しておくことで安心して業務を行うことができます。

ドローン保険にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴と目安の保険料を見ていきましょう。

(1) 対人賠償保険(目安:年間1万円〜)

  • ドローンが墜落して人にケガをさせた場合に補償。

(2) 対物賠償保険(目安:年間1万〜3万円)

  • ドローンが建物や車などを破損させた際に適用。

(3) 機体保険(目安:年間1万〜10万円)

  • 自身のドローンが事故や故障で壊れた場合に補償。

(4) 業務リスク補償保険(目安:年間5万〜15万円)

  • 測量や点検、撮影など業務中に発生したトラブルをカバー。

(5) 包括的なドローン保険(目安:年間1.5万〜3万円)

  • 対人、対物、機体などを網羅的にカバーする総合保険。

ドローン保険のメリット・デメリット

メリット

  • 経済的リスクの軽減
    ドローンの墜落や衝突による損害賠償は高額になる可能性があります。
    保険に加入することで、これらの経済的リスクを軽減できます。​
  • 機体の修理・交換費用の補償
    操作ミスや不慮の事故で機体が破損した場合、修理や交換にかかる費用を補償してもらえます。
  • 業務継続性の確保
    保険によって代替機のレンタル費用がカバーされる場合、業務の中断を最小限に抑えることができます。
  • 信頼性の向上
    保険に加入していることで、取引先や顧客からの信頼性が向上し、ビジネスチャンスの拡大につながることがあります。​
  • 法的リスクの軽減
    事故発生時の法的責任に備えることで、安心してドローンを運用できます。

メリット

  • 保険料の負担
    ​補償内容や機体の種類によっては、年間の保険料が高額になる場合があります。
  • 補償範囲の制限
    保険商品によっては、特定のリスクが補償対象外となることがあります。
    契約内容を十分に確認する必要があります。​
  • 免責金額の設定
    一部の保険では、事故発生時に自己負担となる免責金額が設定されている場合があります。​
  • 保険金請求手続きの煩雑
    ​事故後の保険金請求手続きが複雑で時間がかかる場合があります。​
  • 全損時の補償額の限界
    機体が全損した場合、保険金額が再調達価格に満たないことがあります。

保険金はいくらに設定すればいい?

保険金の設定額について、ドローンの用途別に、以下のとおり記載します。

業種別にも、業務内容によっても備えた方がいい金額は種々ありますので、備える際に、都度検討が必要です。

仕事で使用する場合(業務別)

  • 対人・対物賠償
    1,000万円〜5,000万円程度
  • 機体保険
    不要(自己負担で対応可能なら)

趣味で使用する場合

  • 測量・点検(外壁・屋根など)
    1億円以上
  • 空撮(映像・写真)
    5,000万円以上
  • 農薬散布
    1億円以上
  • 物流・運搬
    2億円以上

ドローン事故発生時の対応手順

  • 安全の確保
    まず、自身や周囲の安全を確保します。
    二次災害を防ぐため、速やかにドローンの電源を切り、危険がない状態にします。​
  • 負傷者の救護
    人身事故が発生した場合、速やかに救急車を呼び、応急処置を行います。​
  • 関係機関への連絡
    重大な事故の場合、警察や消防、国土交通省(DIPS2.0を使用)などの関係機関に連絡します。​
  • 事故状況の記録
    事故現場の写真や動画を撮影し、詳細なメモを取ります。これらの記録は、後日の調査や保険金請求時に重要となります。​
  • 保険会社への連絡
    加入している保険会社に速やかに連絡し、事故の詳細を報告します。
  • 指示に従い、必要な手続きを進めます。​
  • 関係者への報告
    業務中の事故であれば、上司や関係部署へ報告します。​
  • 再発防止策の検討
    事故原因を分析し、再発防止策を検討・実施します。

ドローン保険を提供する保険会社とプラン

以下に、主要な保険会社とその提供するドローン保険プランをまとめます。

東京海上日動
(https://drone-hoken.jp/)

  • 賠償責任保険
    ドローンの運用中に発生した第三者への損害賠償責任を補償します。
  • 機体保険
    ドローン本体の損害を補償します。

エアロエントリー(三井住友海上)
(https://aeroentry.co.jp/)

  • DJI賠償責任保険
    ​DJI製ドローン専用の賠償責任保険。プランA(基本補償)、プランB(追加被保険者特約)、プランC(国外危険補償特約)などがあります。
  • 機体保険
    ​操作ミスや火災、盗難などによる機体の損害を補償するプランを提供しています。
  • ドローン総合保険
    賠償責任保険や機体保険、さらに業務中のリスクに対応した補償を組み合わせた総合的な保険商品を提供しています。

JULCドローン保険
(https://insurance.julc.co.jp/)

  • ドローン賠償責任保険
    ドローンの使用中に発生した第三者への損害賠償責任を補償します。​
  • ドローン機体保険
    機体の破損や盗難などのリスクを補償するプランを提供しています。
  • ドローン賠償責任保険
    ドローンの使用中に発生した第三者への損害賠償責任を補償します。​
  • ドローン機体保険
    機体の破損や盗難などのリスクを補償するプランを提供しています。
  • ドローン賠償責任保険
    ドローンの運用中に発生した対人・対物事故の損害賠償を補償。企業向けの契約が中心。

ドローンパイロットの責任と保険

ドローンを飛ばす際、パイロットには「安全飛行義務」「法律遵守」「事故時の責任対応」などが求められます。

保険に加入することで、これらのリスクを軽減できます。

上記からも、ドローンの事故リスクに備えるため、適切な保険への加入は非常に重要です。

特に業務利用では、業務内容に適した補償内容を選ぶことがポイントとなります。

ドローン保険における行政書士の役割

行政書士は、ドローンの飛行許可申請など法律面でのサポートを行うことができます。

特にドローンパイロットとしても経験豊富な行政書士であれば、適切な保険選びのアドバイスも可能です。

ドローンの安全運用のために、ぜひ適切な保険選びを心がけてください!

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