
こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
最近ますます活用が広がっているドローン。
ですが、その飛行には航空法の厳しいルールがあり、飛行許可申請を行っても不許可になるケースも少なくありません。
今回は、実際にあった不許可事例とその理由、再申請時のポイントを特定飛行ごとに詳しく解説します。
初心者の方でもわかるよう丁寧にご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
ドローン許可申請が必要な「特定飛行」とは
ドローンの飛行には、航空法第132条で「特定飛行」として許可・承認が必要なケースがあります。
具体的には以下の通りです。
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人や建物等に30m未満で接近する飛行
- 催し場所上空の飛行
- 危険物を輸送する飛行
- 物件を投下する飛行
- 高度150m以上の飛行
- 空港周辺での飛行
- 緊急用務空域での飛行
これらの飛行を行う場合は、事前に国土交通省への申請・許可を得ることが義務付けられています。
許可申請が不許可になる主な理由
申請したからといって、必ず許可が下りるわけではありません。
実務上、不許可となる理由は次のようなものが多いです。
- 飛行計画書の記載漏れ・誤り
- 飛行マニュアルの不備
- 操縦者の経験不足
- 必要な同意・承諾書の未取得
- 関係者との事前調整、周知不足
- 飛行の安全対策が不十分
どんなに最新のドローンを使っても、計画と書類が不備なら許可は下りません。
不許可通知が届いたらどうする?再申請の流れ
万が一、不許可通知が届いてしまった場合でも慌てる必要はありません。
通知には必ず「不許可の理由」が記載されています。
その理由を踏まえ、以下のような対応で再申請を行います。
- 不許可理由を確認
- 記載内容・添付資料を修正
- 必要な同意書・計画書を追加
- 飛行マニュアルの改訂
- 再度申請書を提出
ここから先は、飛行の種類別に実際にあった不許可事例と、再申請のポイントを具体的に解説します。
【特定飛行別】実際の不許可事例5選+解説
ここからは、実務で実際に遭遇した・確認できた不許可事例とその原因、再申請時の注意点を詳しく解説します。
人口集中地区(DID)での飛行
不許可事例
- プロペラガードなど機体の安全装置が不十分
- 飛行マニュアルにDID特有の安全対策記載なし
- 操縦者の経験時間が基準の10時間未満
- 地元住民への周知資料が不足
- 立入管理措置が不十分
再申請のポイント
→ 操縦者の経験確認、立入管理措置の対策を行いましょう。
夜間飛行
不許可事例
- 飛行時間帯の記載ミス
- 機体に灯火が備わっていない
- 飛行マニュアルに夜間飛行の記載がない
- 夜間飛行の操縦経験不足
再申請のポイント
→ 夜間飛行に適した機体の選定、夜間飛行の操縦経験を確認しましょう。
目視外飛行
不許可事例
- 補助者配置計画なし
- 経路確認方法未記載
- 通信機器の性能証明不足
- 操縦経験未達
- 飛行マニュアルに目視外飛行の項目が記載なし
再申請のポイント
→ 補助者配置、映像確認方法、飛行マニュアルを明確に記載しましょう。
人や建物等に30m未満で接近する飛行
不許可事例
- プロペラガードなど機体の安全装置が不十分
- 立入管理措置の設定漏れ
再申請のポイント
プロペアらガードを取り付け可能な機体、立入管理措置を設定する。
催し場所上空の飛行
不許可事例
- イベント主催者の承諾未取得
- 観客の場所の記載なし
- 立入禁止区画の距離確保計画不記載
- 飛行時間誤記
- 補助者体制不備
再申請のポイント
→ 主催者の承諾書と立入禁止区画、補助者の配置計画を明記。
危険物輸送飛行
不許可事例
- 危険物の性質説明不足
- 輸送ルートの安全確認不十分
- 緊急時の対応計画欠如
- 保険証明未提出
- 危険物取扱者の配置記載なし
再申請のポイント
→ 危険物の詳細、緊急時マニュアルを添付。
物件投下飛行
不許可事例
- 投下物の重量誤記
- 物件投下の訓練実績不足
- 立入管理区画の未設定
- 安全管理方法記載漏れ
- 補助者の配置不足
再申請のポイント
→ 物件投下投下訓練実績の確認、立入管理区画、補助者の適正配置を計画する。
高度150m以上の飛行
不許可事例
- 航空局との事前協議未実施
- 航空路との重複確認ミス
- 保持者の配置不足
- 高高度飛行マニュアル不備
- 協議記録未提出
再申請のポイント
→ 航空局との協議実施、高高度専用マニュアルを添付。
空港周辺の飛行
不許可事例
- 空港管理者の承諾未取得
- 空港管理者との事前調整結果未記載
- 滑走路との距離誤認
- 飛行時間帯と発着便重複
- 無線連絡体制なし
- 特則マニュアル不備
再申請のポイント
→ 空港管理者の承諾、無線体制整備を徹底。
緊急用務空域での飛行
不許可事例
- 国交省との事前調整未実施
- 飛行目的の緊急性証明不足
- 他航空機との連絡体制未構築
- 管理者承諾未取得
- 緊急飛行計画書未添付
再申請のポイント
→ 緊急性の証明資料、国交省との事前調整記録を添付。
行政書士が行う再申請サポートとは

私たち行政書士は、不許可通知の内容分析から再申請の計画作成、書類作成、関係者との調整まで全面サポートします。
初回申請よりも再申請は難易度が上がりますので、ぜひご相談ください。
行政書士に依頼するメリット
ドローンの許可申請は、単に書類を出せば良いわけではありません。
飛行計画の妥当性、飛行場所の安全確保、周囲への周知、操縦者の経験管理など細かい条件が定められており、少しのミスでも不許可になるリスクがあります。
特に再申請は、
「前回の不許可理由を正確に把握し、改善策を講じたうえで再提出しなければ許可されない」
という点で、より慎重な対応が求められます。
ここで行政書士に依頼するメリットは次の5点です。
不許可理由を正確に分析
行政書士は、航空局からの不許可通知の内容を正確に読み取り、何が問題だったのかを明確に整理します。
必要な追加資料・訂正箇所を的確に判断
単なる誤記なら訂正で済みますが、飛行計画や安全対策そのものに問題があれば計画の再検討が必要。
行政書士が専門的にアドバイスを行い、訂正方法を提案します。
各種承諾書・同意書の取得支援
地権者や空港管理者など、関係者からの承諾書取得も代行・サポート。漏れがないよう慎重に確認します。
再申請書類を正確・迅速に作成
許可申請には煩雑な書類が必要ですが、行政書士が適切な様式・最新の基準に沿って迅速に作成します。
航空局・自治体との事前調整も代行
必要な場合、航空局・空港管理者などとの事前調整も代行。
依頼者に代わって協議・確認を行います。
行政書士に依頼する流れ
実際に行政書士が再申請を行う場合の流れは次の通りです。
航空局から届いた不許可通知を読み解き、問題点を整理します。
不許可理由に応じた改善策(飛行計画の変更、安全対策の強化、承諾書の取得など)を提案。
必要な計画書、飛行マニュアル、周知計画、承諾書などを再作成します。
地権者、空港管理者、イベント主催者等との調整・承諾書取得を代行。
訂正・改善した内容をもとに、正しい申請書類を作成し提出。
許可が下りた後の飛行計画実施、さらに安全対策の確認もサポート。
まとめ|不許可を防ぐためのポイント
- 飛行方法に適した機体の選定
- 飛行計画とマニュアルの記載漏れを防ぐ
- 操縦者の経験を確保・記録する
- 立入管理区画、補助者、周囲への周知、安全対策を徹底する
- 特に再申請は専門家のサポートを活用する
特にリスクの高い飛行方法によるドローンの許可申請は、年々審査が厳格化しています。
経験豊富な行政書士に相談・依頼することで、不許可のリスクを大幅に減らし、円滑な飛行許可取得が実現できます。
ご相談はこちらから!