
こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
今回は贈与契約書について解説します。

親からお金をもらった

子どもに土地を譲りたい

という場面、意外と日常でありますよね。
ですが、この贈与、口約束だけだと後から大きなトラブルになることも。
そこで今回は
- 贈与契約とは何か
- 相続・遺贈との違い
- 贈与契約書の作り方と注意点
- 生前贈与のメリットとデメリット
- 贈与税対策のポイント
を初心者の方にもわかりやすく、実務に即して解説しますね。
贈与とは?相続・遺贈との違い
まず基本を押さえましょう。
種類 | 内容 | タイミング | 契約書の有無 |
---|---|---|---|
贈与 | 財産を無償で渡す契約 | 生前 | あった方が安全 |
相続 | 死後に法定相続人が財産を承継 | 死後 | 不要(遺言があれば別) |
遺贈 | 死後に遺言で財産を特定の人に渡す | 死後 | 遺言書が必要 |
つまり、贈与は生きているうちに財産を渡す行為。
相続や遺贈との違いを押さえておくと、手続きや税金の扱いも変わるので大切です。
贈与契約書の作り方と注意点
贈与契約書の作成の基本手順
贈与とは「自分の財産を、無償で相手にあげますよ」と約束し、その相手が受け取ることで成立する契約です。
特に高額の財産や不動産などの場合、口約束だとトラブルになりやすいため、必ず書面に残すのが安心です。
→ 現金、預貯金、不動産、株式、車など何を贈与するのか具体的に。
→ 「誰が」「誰に」「何を」「いつ」贈与するのかを記載。
→ 贈与者と受贈者双方が署名し、実印・認印を押すのが望ましい。
→ 契約の成立日を必ず記入。
→ 不動産贈与などは特に公正証書にすると安全。
贈与契約書作成の注意点
- 口約束は、すでに贈与した部分を除き、基本的に無効化できる
→ 書面がないと後で「そんなこと言ってない」と言われるリスク。 - 税務署のチェック対象
→ 生前贈与は贈与税の対象。税務署から問い合わせが来ることも。 - 高額贈与は特に注意
→ 110万円以上なら必ず贈与税の申告が必要。
生前贈与のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
相続税対策になる → 早めに贈与することで将来の相続財産を減らせる。 | 贈与税がかかる場合がある → 年間110万円を超えると課税。 |
相続争いの予防になる → 相続の時の争いを未然に防げる。 | 書面・手続きの手間がかかる |
自分の意思で分配できる | 財産が減る |
住宅取得資金等の特例が使える場合も | 一度贈与すると取り戻せない ※負担付贈与は例外あり |
贈与税の非課税枠(年間110万円)を上手に活用しながら、生前贈与を進めるのがおすすめです。
贈与契約書を自分で作成する場合の注意点
- 贈与者・受贈者の署名押印漏れに注意
- 日付を遡って記載しないこと(贈与税逃れと疑われる)
- 高額の場合、税務署への申告要否を確認すること
- 法的に有効な記載方法を知らないと無効になる
- 贈与の目的・内容を曖昧にしない
- 不動産贈与なら登記手続きも必須
よくあるトラブル・注意点
トラブル事例 | 内容 |
---|---|
「もらってない」と言われる | 口約束だけで証拠がない |
贈与税の申告漏れ | 110万円を超えたのに申告せず、後で追徴課税 |
相続人とのトラブル | 特定の相手だけ贈与し、不公平だと不満が噴出 |
贈与した財産を取り戻したい | 贈与は原則として取消不可 |
書類不備で法的効力が認められない | 契約書の日付抜け・署名押印漏れ |
行政書士に依頼する流れとメリット

行政書士に依頼する流れ
贈与契約書の作成を行政書士に依頼する場合、以下のような流れになります。
- まずは電話やメール、オンライン、対面などで相談。
- 「贈与したい相手は誰か」「何を贈与したいのか」「いくらくらいの財産か」「いつ渡したいのか」を伝えます。
- この時点で贈与税の申告が必要かどうかの簡単な目安も確認できます。
- 贈与者と受贈者の氏名・住所・生年月日などの基本情報。
- 贈与する財産の内容(現金・不動産・株式など)。
- 贈与する日付や条件がある場合はその内容。
- 行政書士が書類の準備を案内し、場合によっては住民票なども代行取得。
- 相談内容をもとに、法的に有効な内容・形式の贈与契約書を作成。
- 書類の内容について、言葉遣いや表現などもわかりやすく説明してもらえます。
- 作成した贈与契約書を確認し、不明点や気になる点を相談。
- 必要なら修正や追加も可能。
- 贈与者と受贈者が署名・押印するタイミングや方法を丁寧に説明。
- ご希望があれば、立ち会いもしてもらえます。
不動産贈与やトラブル防止のために公正証書を作成したい場合は、公証役場との事前打ち合わせや予約も代行。
贈与税が発生する場合の流れや、信頼できる税理士の紹介も可能。
行政書士に依頼するメリット
初心者の方にとって、行政書士に依頼するメリットはとても大きいです。
主なポイントをまとめてみました。
メリット | 詳細説明 |
---|---|
法的に有効な書類を確実に作成できる | 自分で作ると法律的な記載漏れや表現のミスがありがち。行政書士なら安心。 |
書類不備によるトラブルを防げる | 書類に不備があると贈与が無効になるリスクも。行政書士なら法的チェック万全。 |
贈与税の発生の有無や対応も相談できる | 税務上の注意点も含め、適切なアドバイスをもらえる。税理士紹介も可能。 |
公正証書の作成サポートも依頼できる | 公証役場との打ち合わせや手続きもスムーズに代行・同行可能。 |
家族トラブル防止に役立つ書き方を提案してもらえる | 贈与の意図が正しく伝わる文章・内容のアドバイスももらえる。 |
書類の保管方法・署名押印の注意点も教えてもらえる | 書類完成後の管理や手続きの注意も教えてもらえるから安心。 |
まとめ
贈与契約書は一見シンプルでも、記載内容の不備や法的な抜けがあると、後々トラブルになったり税務署から指摘されることがあります。
特に高額な財産の贈与や、不動産・株式などの贈与は、自分で判断せず、専門家である行政書士に依頼するのがベストです。
「ちょっと相談したいな」「まずは話を聞いてみたい」という方も、気軽に相談できるので、ぜひ活用してみてくださいね。
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