~もしものときに困らないための実務解説~
はじめに

こんにちは、キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
ドローンを飛行させる際、万が一の事故やトラブルに備えて保険加入は必須です。しかし「保険に入ったけど、実際に事故が起きたらどうすればいいの?」「何をどの順番で連絡するのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ドローン保険の実際の利用方法と事故時の流れを徹底解説します。
特に以下の3点を中心に、初心者にもわかりやすくまとめました。
- 保険の種類と加入時のチェックポイント
- 事故発生時の実際の対応フロー
- 保険申請でよくあるトラブルとその防止策
「保険活用」に特化した内容ですので、もしものときの参考にぜひお役立てください!
ドローン保険の種類と補償内容
対人・対物賠償責任保険
第三者にケガをさせたり、物を壊してしまったときの賠償費用をカバー。
最低でも1億円以上の補償をつけるのが推奨です。
機体保険
ドローン本体の破損や紛失時の修理・再購入費用を補償。
特に高額機体ユーザーにおすすめ。
その他の特約
- サイバー・情報漏洩(ろうえい)保険
- 盗難保険
- 国外での補償
- 人格権(プライバシー)、著作権侵害
- ドローンを他のパイロットに貸与しているときの補償
- 火災・落雷
- 機体の捜索、回収
- 代替機貸借費用補償
保険加入時のチェックポイント
ドローン保険に加入する際は、ただ安い保険を選べばいいわけではありません。
万が一のトラブル時に「いざというとき使えなかった!」とならないよう、以下のポイントをしっかり確認しましょう。
補償対象
- 対人・対物賠償責任保険
飛行中に第三者にケガをさせた、建物や車を壊した場合の補償。 - 機体保険(機体損害保険)
自分のドローンが墜落・破損したときの修理・買い替え費用をカバー。 - 動産総合保険型のプランもあり、飛行中以外の保管・輸送中の事故も補償対象になる場合も。
補償金額
- 対人・対物:最低でも1億円以上推奨
(イベント飛行・都市部は3億円以上が安心) - 機体損害:機体の時価額に応じた金額設定を確認。
特約の有無
- 業務利用特約
仕事で飛ばす場合は必須。 - 夜間飛行・イベント飛行特約
特定飛行を行う場合は加入条件を必ず確認。
事故発生時の連絡方法と条件
- 保険会社によっては事故発生から24時間以内の連絡必須。
- 飛行許可書・飛行記録の提示が求められる場合も。
保険料と支払い方法
年間契約型・1日保険・飛行ごとの保険など種類があり、飛行頻度に応じて選ぶ。
事故発生時の保険利用フロー
万が一のトラブル時、慌てず対応するための基本の流れです。
- すぐに操縦を中止し、周囲の安全を確保。
- ケガ人がいれば救護し、必要なら救急要請。
- 警察・管理者への通報(第三者被害や物損ありの場合)
- 国土交通省への通報(DIPS2.0、または緊急ならFAX報告)
>>無人航空機事故報告要領(国交省PDF)
DIPS2.0システム障害などで報告できない場合は、報告様式をダウンロードし、FAXまたはメールで報告。
- 写真撮影、被害状況・目撃者の証言記録。
- 事故発生から速やかに保険会社の事故受付窓口へ連絡。
- 飛行許可の有無、飛行日時、状況説明を行う。
- 飛行許可書・事故報告書・被害写真など。
- 保険会社の案内に従い、書類提出・審査。
- 問題なければ保険金支払。
過去の事故事例(保険利用ケース)
初心者の方が参考になるよう、実際に保険が活用された事例をいくつか紹介します。
【事例1】住宅地での墜落事故
状況:住宅街上空で操縦中、突風に煽られてバルコニーに激突し、ガラスを破損。
保険適用:対物賠償で修理代35万円をカバー。
【事例2】イベント会場での接触事故
状況:イベント上空で飛行中、観客の頭部にドローンが接触し軽傷。
保険適用:対人賠償で治療費+慰謝料計15万円。
【事例3】漁港での飛行中機体紛失
状況:海上で機体が電波ロスト、海面に落下し紛失。
保険適用:機体損害保険で機体の時価額15万円を支払い。
注意点:飛行記録の提出と飛行許可証の控えを求められた。
終わりに
ドローンは便利で魅力的なツールですが、万が一の事故やトラブルは誰にでも起こり得ます。
そんなとき、保険にしっかり加入しておくことで、自分自身も守り、相手にも誠実に対応できます。
特にイベント飛行や市街地飛行などリスクの高い飛行を行う場合は、対人・対物賠償の金額設定や特約の有無を事前に確認し、事故時の対応フローも把握しておきましょう。
今回ご紹介した実例のように、事前準備と正しい手続きができていれば、トラブル発生後もスムーズに解決できるケースが多いです。
ぜひこの記事を参考に、ご自身の保険内容を一度チェックしてみてくださいね。
もし、

保険の内容がよく分からない

どんな保険に入るべき?
といった疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
行政書士で現役のドローンパイロットでもあり、経験として、飛行許可申請から保険の相談までしっかりサポートいたします!
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