
こんにちは、キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
今回から【シリーズ企画】として、「ドローン飛行時の注意点完全ガイド」をお届けします。
このシリーズでは、初心者の方から経験者の方まで、飛行前後の確認ポイントや法律・ルールの確認方法、現場での注意事項などをわかりやすく解説していきます。

ドローンを安全に飛ばしたいけど、何を確認すればいいのか分からない

飛ばしたあとに『しまった!』とならないように事前に確認したい

そんな不安や疑問を解決するためのシリーズです。
第1回目の今回は、「事前確認の徹底チェックリスト30選」として、実際の飛行前に必ず押さえておきたい項目を整理しました。
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ドローン飛行前に絶対確認したい!30項目のチェックリスト
飛行前に確認しておきたい項目は、「機体・機材確認編」「許可・ルール確認編」「飛行環境・安全確認編」の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。
ひとつずつ丁寧に確認していきましょう。
機体・機材確認編
1.プロペラの取り付け状態確認
プロペラがしっかり固定されているかを確認しましょう。
意外と多いのが「軽くしか付いてなくて飛行中に外れた」という事故。
これ、ほんの少しのゆるみでも外れることがあります。
取り付けるときはカチッと音がするまで、しっかり固定し、固定後はプロペラを引っ張って固定確認を。
2.プロペラの破損・劣化チェック
飛行中の小石や木の枝に接触して、プロペラの先端に小さな欠けができることがあります。
そのまま飛ばすと、振動の原因になり、最悪墜落も。
軽微な傷でも迷わず交換。予備プロペラを常に持参しましょう。
3.機体フレーム・アームの状態確認
小さなヒビや歪みも要注意。
飛行中の振動やバランス崩れの原因に。
特に収納・移動時に圧迫してしまったり、着地時の衝撃でダメージを受けやすい部分。
目視&軽く手で触って異常がないか確認。
4.バッテリー残量確認(飛行前満充電)
当たり前に思えて忘れがち。
半端な残量で飛ばして、途中で残量不足エラーが出て焦るのもよくある失敗例。
飛行前は必ず満充電。
ポータブル電源やモバイルバッテリーで充電しながら現地へもOK。
5.バッテリーの膨張・劣化チェック
バッテリーは消耗品。劣化すると膨らんできたり、膨張して蓋が閉まらないことも。
膨張バッテリーは危険。発火のリスクも。
少しでも膨らみを感じたら即使用中止・処分へ。
6.プロペラガードの装着・破損確認(必要時)
人口集中地区や人または物件の近くでドローンで飛ばすときは必須。
衝突事故防止&軽微な接触でもプロペラガードがあるだけで安心度が段違い。
取り付けミスのないよう固定状態も確認。
7.ジンバル・カメラの取り付け確認
ジンバルは非常に繊細。
収納時のジンバル固定具を付けたまま飛ばして故障、というのも多発。
固定具は外したか、カメラの動きは正常か、手で軽く動かして確認。
8.カメラ・ジンバルの動作確認
映像が映っているか、ジンバルが水平維持できているか、アプリ画面で確認。
ジンバルキャリブレーションも当日の飛行前には実施するとベスト。
9.送信機と機体の接続確認
ペアリングがうまくいっていないと、離陸後すぐに接続ロスト→墜落という怖い事例も。
電源ON後、送信機画面の接続状態を確認。
操縦可能かテスト。
10.機体ソフトウェア・アプリの最新状態確認
ソフトが古いと、許可承認データが反映されない・最新規制が反映されない場合も。
飛行前には必ず最新バージョンか確認・アップデート。
許可・ルール確認編
11.国土交通省の許可・承認の有無確認
ドローンの飛行には、一定の場所・方法では必ず許可や承認が必要です。
例えば
- 人口集中地区(DID)
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 催し上空
- 第三者の30m以内
これらは国交省へのDIPS2.0を使った申請・承認が必須。
事前に飛行エリア・方法を整理して、許可の有無を確認しましょう。
また、実際の飛行時には。許可証の携帯が必要です。
12.申請した条件と当日の飛行計画の整合性確認
許可承認を取っていても、申請した内容と違う飛ばし方をすれば違反。
例:「目視外OKの許可がないのに目視外飛行する」など。
当日の飛行方法と申請内容を再確認して、違いがあれば再申請を。
13.地元自治体の条例確認
自治体ごとに、公園・河川敷・海岸などの飛行ルールが独自で定められている場合があります。
「国の許可はあるのに、自治体の条例違反で通報された」という事例も。
自治体の公式HPで“ドローン飛行禁止”の記載がないか確認。
分からなければ電話確認もOK。
14.イベント・催し物会場の飛行可否確認
イベント会場は、催し上空飛行扱いになることが多いです。
勝手に飛ばせば、警察への通報・即時中止も。
主催者・会場管理者へ事前確認と承諾取得。
イベントの中で飛ばすなら、警察署への道路使用許可なども必要な場合あり。
15.土地所有者・管理者の許可確認
飛行エリアの地権者・施設管理者の許可が必要なケースも。
例えばゴルフ場、私有地の上空など。
飛ばす場所が誰の土地なのか調べて、許可が必要か確認。
16.飛行計画のDIPS2.0通報(必要時)
人口集中地区、目視外飛行、夜間飛行などでは、DIPS2.0の飛行計画通報が必要です。
通報義務の有無を事前確認し、必要なら必ず通報。
17.飛行禁止空域の事前確認
- 緊急用務空域
- 空港周辺
- 国の重要施設
- 自衛隊基地
- 原子力発電所
これらの周辺上空は、無許可で飛ばせば即罰則対象。
国土地理院の地図やフライトナビアプリで事前確認。
18.電波法の周波数帯確認
5.8GHz帯を使うには技適マーク+無線従事者免許+開設届が必要。
知らずに使って違法電波になった例も。
使用周波数を確認し、無線設備の適正もチェック。
19.保険の加入・内容確認
ドローンは墜落・接触事故のリスクが常にある。
自賠責保険はないので、個人賠償・機体保険・業務保険の加入を確認。
補償範囲・金額・免責事項も事前に確認。
20.操縦ライセンス・技能証明の有無確認
2022年の改正で、一定の飛行には二等・一等ライセンス必須のケースも。
飛行方法によって必要な資格を確認。
自分の操縦資格と飛行内容が合っているかチェック。
飛行環境・安全確認編
21.天気・風速の確認
天気予報だけでなく、現地の風速・風向きも重要。
特に最大瞬間風速7〜8m以上なら飛行中止を基本に。
気象庁・ドローンフライトナビ・Windyアプリなどで事前確認。
22.GPS信号の受信状況確認
山間部や建物の影響でGPSが受信しにくい場所も。
GPS精度が低いと、RTH(自動帰還)機能が正しく働かない。
離陸前にGPS受信状況を確認。できれば10個以上受信で安定。
23.電波干渉状況の確認
工場地帯・イベント会場・大型無線設備、電波塔近くでは電波干渉で操縦不能のリスク。
Googleearthで、事前に電波干渉を引き起こす設備や建物がないか事前に確認。
ある場合には、飛行を取りやめるか、緊急事態に備えて目視内飛行で飛行させる。
24.上空障害物の確認
電線・看板・樹木・鉄塔・建物など、障害物の位置と高さを確認。
特に自動RTH時、障害物回避ができない機体も多い。
事前にGoogleearth、現地下見などで障害をチェックしましょう。
障害物のある高さ+5mで飛行設定。
25.第三者の立ち入り防止
飛行エリアに突然人が入ってくると事故リスク。
特に子どもやペットは注意。
飛行エリアをカラーコーンやロープで明確に区切る。
特定飛行は他地理管理区画や補助者を配置するのも効果的。(特定飛行は例外を除き必要)
26.補助者の配置・役割確認
目視外飛行や第三者近接時には補助者が必須。
役割を明確にし、無線機で連絡体制も構築。
飛行中の人の接近・緊急事態の監視役を決める。
27.離着陸エリアの確保
平坦で障害物のない場所に離着陸ポイントを設定。
砂埃が舞う場所や水辺は避ける。
地面マットの使用やカラーコーンで区画するのがおすすめ。
28.緊急時の操作手順確認
「接続ロスト」「暴走」「強風」時の操作法を事前に確認。
パニックにならないために緊急時の操作マニュアルを用意。
RTH・急停止・手動操縦切替の位置も確認。
29.現地住民・周辺施設への配慮、緊急通報準備
近隣住民からのクレームも多い。音やプライバシー配慮を忘れず。
必要なら事前に挨拶・説明を行う。
また、緊急事態(事故や怪我)に備えて、飛行計画に近隣の警察署、消防署の名前、住所、電話番号を記載しておき(携帯電話に番号登録)、緊急時にスムーズに対応を行えるようにしておくことが大切です。
30.ドローン持ち運び中の安全確認
移動時のプロペラ・ジンバルの固定、バッテリーの保護。
特に公共交通機関内ではマナーにも注意。
専用ケース+バッテリー耐火袋使用がおすすめ。
まとめ
以上、「事前確認の徹底チェックリスト30選」をお届けしました。
ドローンの飛行は「飛ばす前の確認」がとても大切です。
事前にこのリストを活用してもらうことで、トラブルを未然に防ぎ、安心・安全な飛行ができるようになります。
「これ大丈夫かな?」「この許可はいるのかな?」と迷ったときは、必ず確認を。
もし不安な場合は、行政書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
次回の【シリーズ企画 第2回】では、「現場での安全運用マナーと飛行中の注意点」について詳しく解説しますので、ぜひそちらもチェックしてくださいね。
あなたのドローンライフが、安全で楽しいものになりますように!
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