
こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
近年、老朽化するインフラの維持管理のため、ドローンを活用した送電線や橋梁の点検が急増しています。
しかし、これらの現場では通常の飛行ルールでは実施できない特殊な飛行が求められるケースが多く、国土交通省の許可・承認が必要です。
この記事では、産業用ドローンで高圧送電線点検・橋梁点検を行う際の特殊飛行許可の取得方法と手続きの流れ、行政書士がお手伝いできることを詳しく解説します。
特殊飛行許可とは
ドローンの飛行には航空法第132条・第132条の2で定められた「特定飛行」の場合、国土交通省の許可・承認が必要です。
特に、産業用ドローンを使用する点検業務では、以下の飛行に該当することが多くなります。
該当する特定飛行の例
- 人口密集地(DID地区)上空の飛行
- 人・物件から30m未満の距離での飛行
- 夜間の飛行
- 目視外飛行
- 高圧送電線や橋梁の至近距離での点検飛行
これらを行うには、DIPS2.0を通じた許可申請が必要です。
許可申請に必要な書類と内容
特殊飛行許可の申請では、通常飛行よりも厳しい安全対策が求められるため、提出書類も多くなります。
以下が必要になる代表的な書類です。
書類名 | 内容 |
---|---|
無人航空機の飛行許可・承認申請書 | 飛行目的・飛行空域・飛行方法などの基本情報 |
機体仕様書 | ドローンの型番・製造番号・飛行性能・安全機能の記載 |
操縦者情報 | 氏名・住所・飛行実績・操縦技能証明の有無 |
飛行計画書 | 飛行日時・場所・高度・飛行経路・緊急着陸地点の記載 |
飛行マニュアル | 標準マニュアルもしくは独自マニュアル(より厳格なルールが必要) |
安全対策計画書 | 周辺環境のリスク評価・安全確保手段・緊急時対応策など |
関係機関への事前連絡書類 | 電力会社・道路管理者などへの事前協議記録 |
※DIPS2.0内でオンライン提出が原則。添付書類はPDF形式。
特殊飛行許可申請の流れ【自分で申請する場合】
自分で許可申請をする場合の具体的な流れは以下の通りです。
飛行日時・場所・目的・使用機体・操縦者を確定。
送電線の点検なら電力会社、橋梁なら道路管理者・河川管理者と連絡・同意取得。
仕様書・操縦実績の確認。
リスクアセスメント・緊急時の対応策・周辺住民対策も記載。
申請書・添付書類をアップロード。
通常10〜14日、補正指示が入る場合も。
DIPS2.0内でPDFダウンロード。
飛行前日までに飛行計画通報も忘れずに。
行政書士に依頼できること

特殊飛行許可の申請は複雑かつ厳格な安全対策が求められます。
行政書士なら以下の業務を代行・支援可能です。
業務内容 | 詳細 |
---|---|
飛行計画の確認・法的要件判断 | その計画が特定飛行該当か、要否を判定 |
関係機関への事前相談・調整 | 電力会社・自治体との折衝代行 |
必要書類の作成・整理 | 申請書・マニュアル・安全計画のドラフト作成 |
DIPS2.0の入力・申請代行 | 書類アップロード・データ入力代行 |
行政との質疑応答 | 記載ミス・不備指摘対応 |
許可取得後の飛行計画確認 | 実施内容の安全管理チェック・飛行前確認書類の作成 |
事故発生時の報告代行 | DIPS2.0での事故報告・再発防止計画支援 |
行政書士に依頼する流れ
行政書士に依頼する場合の具体的な流れはこちらです。
飛行日時・場所・目的・機体情報など簡単に共有。
計画の特定飛行該当要件の有無を行政書士が確認。
依頼者に用意してもらう書類・情報を案内。
行政書士が書類一式と申請手続きを代行。
不備指摘・質疑応答も代理で対応。
実施前の安全確認・マニュアル遵守チェック。
特殊飛行許可の注意点
特殊飛行は通常より危険度が高いため、次の点に特に注意が必要です。
- 関係機関の事前同意は必須
電力会社、道路・河川管理者、自治体への事前協議は法的義務ではなくとも強く求められる。 - 独自マニュアルは国交省標準マニュアルよりも厳しくなる傾向
独自マニュアルを提出する際は、安全距離・緊急時の対応・操縦者要件などがより厳しく設定される例多数。 - 夜間・目視外飛行はさらに安全対策が必要
補助者配置、双方向通信、照明装備必須。 - 許可取得後も飛行前のDIPS2.0での飛行計画通報が必要
許可があっても飛行都度の飛行計画通報を怠ると行政指導の対象。 - 天候による中止判断基準の明文化も必要
許可申請時に風速基準・降雨時の運用禁止基準を明記するのが望ましい。
まとめ
産業用ドローンによる高圧送電線・橋梁の点検は、効率的で安全性の高いインフラ維持管理手法ですが、特殊飛行許可の取得が不可欠です。
行政書士なら、申請書類の作成から行政との調整・許可取得後の運用フォローまで、トータルサポートが可能。
- 申請手続きに不安がある
- 初めて特殊飛行を行う
- 点検業務を事業化したい
そんな事業者様はぜひ一度、行政書士への相談をご検討ください。
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