
遺言書を作りたいけれど、どの方式を選べばいいのか分からない
自筆で書いて、もし間違えて無効になったらどうしよう…

家族が将来争わないように、確実に準備しておきたい

そんなお悩みをお持ちの方に、まず最初におすすめしたいのが**公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)**です。
多くの専門家が推奨している方法で、もっとも確実で、もっとも安全性の高い遺言書です。
公正証書遺言とは?初心者の方にも簡単に説明します
公正証書遺言とは、公証役場(こうしょうやくば)で、公証人があなたの意思を聞いて作成する遺言書のことです。
公証人とは、法律の専門家です。
法務大臣から任命された公務員で、法律に基づいた文書を作成する役割を持っています。
公正証書遺言は、
- あなた(遺言者)が内容を伝える
- 公証人が法律に沿って文章を作成
- その場で署名押印をして完成
という流れで作られます。
そして、完成した遺言書は
- 原本は公証役場で保管
- 家族が必要になったとき取り寄せできる
という仕組みです。
この仕組みが、公正証書遺言が「一番安全で確実」と言われる理由なんですね。
公正証書遺言のメリット

無効になる心配がほぼない
自筆証書遺言には決まりがあり、少し間違えただけで無効になってしまうことがあります。
たとえば、
- 日付を書き忘れた
- 押印を忘れた
- 文章が矛盾していた
こうしたミスが一つでもあると、遺言が効力を失う可能性があります。
しかし、公正証書遺言は、公証人という法律の専門家が内容を確認しながら作成します。
そのため、方式の不備で無効になることはほとんどありません。
紛失・改ざんの心配がない
公正証書遺言の原本は、公証役場で厳重に保管されます。
つまり、
- 家族が見つけられなかった
- 誰かが勝手に破棄した
- 書き換えられてしまった
こういう心配は一切ありません。
家族が遺言を発見できない…という心配がない
遺言書を家に保管していると、
- 家族が知らないまま
- 亡くなった後見つからないまま
というケースは実務でもとても多いです。
でも公正証書遺言なら、役所に記録が残るので、必要なとき、遺言検索を行い、確実に取り寄せできます。
認知症など将来の不安にも備えられる
将来のことを考えると、
- 認知症になってしまったらどうしよう
- その時には遺言ができない?
などの不安もありますよね。
でも、公正証書遺言なら、今のうちに準備しておくことで、その不安を大きく減らせます。
公正証書遺言のデメリット
もちろん、公正証書遺言にもデメリットはあります。
手数料がかかる
遺言に記載する財産額によって、公証役場の料金が決まります。
ただし、一般的には「非常に高額になる」というものではありません。
※費用はケースごとに違うので、専門家に確認するのが安心です。
証人が2名必要
遺言書の作成には、証人2名の立ち会いが必要です。
証人をお願いする人がいない場合、公証役場にて手配をお願いすることが可能です。
また、行政書士が関与することで、
- 証人の手配
- 同席の調整
ができることが多いので、心配しすぎなくても大丈夫です。
以下の人は、民法974条「証人及び立会人の欠格事由」の規定により、証人になることはできません。
▶︎未成年者、推定相続人や受遺者とその配偶者、直系血族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記や使用人
どんな人に向いているの?
公正証書遺言は、特に次のような人に向いています。
- 相続でもめそうな家族事情がある
- 不動産がある
- 再婚家庭、内縁の配偶者がいる
- 子どもが複数いる
- 絶対に遺言を確実な形にしたい
一つでも当てはまるものがあるなら、公正証書遺言をおすすめします。
公正証書遺言の作成の流れ(専門家に依頼した場合)
遺言書というと、
「難しそう…」
「専門知識が必要なのでは?」
と感じる方も多いですが、実際の流れはそこまで難しくありません。
まずは、家族構成や財産の状況をゆっくり整理します。
- 誰に、どの財産を、どう渡すのか
- トラブルにならない分け方は?
- 家族へ伝える財産の分け方の理由や、家族への思い、気持ち
というところを一緒に考えていきます。
行政書士などが文章を作り、法律に沿った形に整えます。
- 予約
- 必要書類の確認
- 文案の事前送付
すべて行政書士が調整します。
公証人を交えて最終確認し、遺言書を完成させます。
原本は公証役場で保管されるので、紛失の心配はありません。
コピーも受け取れます。
公正証書遺言の必要書類
公正証書遺言を作成する場合、おおむね次の書類が必要です。
- 遺言者本人の戸籍謄本
- 財産関係書類(登記事項証明書、通帳など)
- 印鑑証明書
- 身分証明書
「難しそう」と感じる方が多い場所ですが、行政書士が関わる場合、ほとんどの書類収集もサポート可能です。
公正証書遺言に書ける内容
公正証書遺言では、基本的な遺言内容に加え、次のようなことも書けます。
- 遺言執行者の指定
- 生前に誰がどんな支えをしてくれたか
- 家族へのメッセージ(付言事項)
法律的なことだけではなく、
あなたの気持ちも一緒に残すことができるのが公正証書遺言の魅力です。
行政書士に相談すると遺言はどう変わる?

「自分だけでできる?」
「どこまで手伝ってくれるの?」
そんな不安に寄り添いながら、行政書士の役割は次のようなものです。
- 遺言内容についてアドバイス
- 付言の書き方までサポート
- 文案作成
- 相続人の調査
- 必要書類の準備サポート
- 公証役場との調整
法律の視点はもちろんですが、
「ご本人の気持ちを大切に形にする」
というのも行政書士の大切な役割です。
9.まとめ|公正証書遺言は一番確実で安心な遺言書です
最後にもう一度まとめます。
- 公正証書遺言は一番安全で確実な遺言書
- 公証役場で作り、専門家が関わるため無効リスクが低い
- 紛失や改ざんの心配がない
- 手続きは実はそこまで難しくない
- 家族を思う気持ちをしっかり残せる
将来の不安や、相続争いを避けたいと思われたとき、公正証書遺言は大きな助けになります。
「絶対に失敗したくない」
「子どもたちに迷惑をかけたくない」
そんなときは、どうぞ一度ご相談ください。
専門家として、あなたのお話をしっかり伺いながら、より良い遺言書づくりを丁寧にサポートいたします。
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