初心者でも安心!動物病院を開業するには?手続きの流れ・注意点・違反事例まで徹底解説

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こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。

今日はこれから動物病院を開業しようと考えている先生方に向けて、開設に必要な手続きや注意点、よくある違反事例まで、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきますね。

実は、動物病院は開業するだけではダメ
ちゃんと法律に基づいて「届出」をしなければならない決まりがあります。
手続きが遅れたり、内容に不備があると、営業停止や改善命令などの行政処分を受けてしまうケースもありますので、ぜひこの記事でポイントを押さえていきましょう!

動物病院の開業には、「動物の診療施設開設届」というものを提出する必要があります。
これは
「獣医療法第3条」という法律に基づく義務です。

獣医療法第3条とは?

診療施設を開設した者(以下「開設者」という。)は、その開設の日から十日以内に、当該診療施設の所在地を管轄する都道府県知事に、農林水産省令で定める事項を届け出なければならない。

つまり、開設したら10日以内に必ず届出をする必要があるんです。
これを忘れると、行政から指導・改善命令の対象になります。

手続きの概要|開設届の提出までの手順

初心者の方でもわかりやすく、手順の概要をまとめました。

  • 診療施設(動物病院)の所在地を決定
  • 設備・器具類の準備(診療台・手術台・薬品庫など)
  • 届出書類の作成
  • 保健所への事前相談(推奨)
  • 開設日から10日以内に届出提出
  • 保健所の実地確認(必要な場合)
  • 開設届の受理通知

※保健所によっては事前相談が必須のところもあります。

届出書類の内容

届出書には以下の内容を記入し、必要書類とともに提出します。

  • 診療施設の名称
  • 所在地
  • 開設者の氏名・住所
  • 獣医師の氏名・資格証明
  • 対象動物の種類
  • 診療設備の内容
  • 動物用医薬品の管理方法

添付書類として、図面・設備一覧表なども求められるケースも。

行政書士に依頼する場合の詳しい流れとメリット

依頼の流れ

初回相談(対面・オンライン)

「いつ開業予定なのか」「どこで開設するのか」「診療する動物の種類」「どんな診療設備を用意するのか」などをヒアリング。
→ この段階で、必要な届出書類や添付資料も案内。

保健所への事前相談の代行

開設予定の保健所に行政書士が直接連絡を取り、その自治体の運用状況(事前相談が必要か、設備要件の確認、添付資料の内容など)を確認。
→ 施設の図面や設備リストのひな型もこの時点で準備。

書類作成・添付資料の準備

開設届だけでなく、必要なら診療施設の図面・設備表・獣医師免許証コピー・法人登記簿謄本(法人の場合)なども用意。
→ 記載内容に誤りがないか、行政書士が法令・条例をもとにチェック。

開設日・開設届の提出代行

開設日から10日以内に、行政書士が保健所へ直接届け出。
→ 開設届受理後の控えも預かり、開業者にお渡し。

開設後の記録義務・変更届等のアドバイス

診療記録の作成方法、表示義務、設備の変更届、廃止届の提出方法なども説明。
→ 万が一の行政指導にも対応可能。

行政書士に依頼するメリット

  • 保健所との面倒なやり取りをすべて任せられる
  • 書類の記載ミス・漏れ・期限遅れが防げる
  • 各都道府県の細かい運用にも即対応
  • 開設後の法定義務も把握できるので安心
  • 廃止や設備変更など将来の届出も相談できる

自分で申請する場合の注意点

もし自分で申請するなら、次の点に注意しましょう。

開設日から10日以内の届出を厳守

うっかり開設前に届出が必要と誤解する方もいますが、正しくは「開設した日から10日以内」。
例えば「5月1日に開業したら、5月10日までに届出」が正解。

保健所ごとに書類の内容や添付物が違う

都道府県のHPにひな型があっても、実際の受付時には図面の書き方、診療内容の表記方法など細かい指示が追加されるケースも多い。必ず事前に保健所に確認を。

診療設備の基準を満たす必要がある

診療台、薬品保管庫、手術台(必要なら)、消毒設備など最低限の設備が整っていないと受理されない
自治体によっては開設前に設備の現地確認がある。

診療記録の作成・保存義務を忘れない

診療した動物の情報を記録し、最低3年間保存する義務がある。
カルテが電子化でもOKだが、必ず保存方法を決めておくこと。

設備変更・動物種追加も届出義務あり

開業後に設備を増やしたり、診療対象動物を変える場合も、変更届を速やかに提出しなければならない。

獣医師法・獣医療法の遵守

無免許診療の禁止、誤診や過失への適切な対応など、常に法令を守って診療すること。

麻薬・毒薬の管理

必要な場合は麻薬施用者免許の取得や、適正な管理記録も必須。

違反事例5選|実際によくあるミス

開設届の未提出

「忙しくてつい忘れた」「事前に届ければOKと思ってた」などで届出漏れ。
→ 行政指導の上、速やかに届出を求められる。悪質なら業務停止も。

設備基準未満の施設で開設

例:手術台の未設置、薬品保管庫が家庭用棚、消毒設備なし。
→ 開設届受理後の検査で発覚し、改善命令+再検査に。

動物診療施設の表示義務違反

「動物病院名」「所在地」「診療時間」「休診日」などの表示がない、または内容が虚偽。
→ 行政指導+改善指示。

診療記録を作成・保存していなかった

カルテの記録義務を知らず、問診票のみで対応。
→ 記録作成義務違反で指導。3年保存も求められる。

診療対象動物の追加届出漏れ

犬猫専門で開業後、エキゾチックアニマルも診療開始するが届出せず。
→ 診療動物変更届出の未提出で行政指導。

まとめ

動物病院を開業するなら、獣医療法第3条に基づく届出は必須
特に開設日から10日以内の届出を忘れずに行いましょう。

不安な方、忙しい方は行政書士への依頼も検討してみてくださいね。

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