【完全ガイド】ペットカフェ開業の許可申請|飲食店営業許可+動物取扱業登録のダブル手続き解説

キリヒラク
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こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。

今回は「ペットカフェ」を開業したい方のために、必要な許可手続きと注意点を初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

ペットカフェの開業には、
✅【飲食店営業許可】(食品衛生法)
✅【動物取扱業登録】(動物愛護管理法)

この2つの許可・登録が必須です。
この記事では、それぞれの手続きの流れ・必要書類・要件・注意点・行政書士への依頼の流れとメリットまで、実務経験をもとに詳しくご紹介します!

① 飲食店営業許可(食品衛生法)

飲食物を提供する営業は、食品衛生法により「飲食店営業許可」が必要です。

飲食店営業許可の要件

営業施設の構造基準
  • 調理場と客席の区画が明確(ドア・カウンターでの区切り)
  • 手洗い設備の設置(給湯器付き、消毒液常備)
  • 換気・排水・採光の確保
  • 食品保管庫の設置
  • 冷蔵・冷凍庫の適正な温度管理
  • ゴミ保管庫の設置と防虫防鼠対策
食品衛生責任者の配置

調理師、栄養士、製菓衛生師などの有資格者、もしくは所定の食品衛生責任者講習の受講

飲食店営業許可の流れ

  • 保健所へ事前相談(設計図持参)
  • 施設の設計確認・指導
  • 工事完了後、施設検査
  • 許可証交付

動物と飲食提供エリアは完全に区画分離することが原則です。
動物と飲食が混在する店舗は許可されませんので、必ず事前相談を行いましょう。

② 動物取扱業登録(動物愛護管理法)

動物とふれあい提供を行うカフェは「動物取扱業・展示業」の登録が必要です。

動物取扱業登録の要件

所定の資格要件
  • 愛玩動物飼養管理士(日本愛玩動物協会)
  • 日本小動物獣医師会認定のペットショップ管理士
  • ジャパンケネルクラブの愛犬飼育管理士
  • JKC公認トリマー
  • 動物看護師
  • ペットケアアドバイザー
  • 家畜商免許(販売業の場合)
  • 大学・専門学校等で動物関連学科を修了

    さらに、半年以上の実務経験、動物愛護管理センター等が実施する動物取扱責任者講習が求められる点もポイントです。
    ※資格証のコピーや実務証明書が求められますので事前に準備しましょう。
設備基準

以下の施設基準を満たした建物・設備が必要です。

設備項目要件内容
調理室の区画飲食スペースとは完全に区切る必要あり。ドアやパーテーションで明確に区分。
手洗い設備調理場と客席トイレにそれぞれ1箇所以上。消毒液も常備。
給排水設備清潔な水の供給と汚水の適切な排水設備を備える。
換気設備必ず設置し、十分な換気能力を有すること。
冷蔵・冷凍設備食材に適した保存温度を保てる設備。
廃棄物処理設備ゴミ箱は蓋付きで、定期的に清掃・消毒が可能なもの。
床・壁・天井清掃しやすく、防湿・防カビ・耐水性の素材を使用。
食器・器具の収納ほこり・害虫が入らない清潔な保管設備を設置。
客用トイレ手洗い付きの清潔なトイレ。動物との共用は不可。
管理体制
  • 動物の健康管理記録の作成
  • 緊急時対応マニュアル
  • 動物愛護法の掲示義務
  • 定期消毒・清掃の実施
  • 感染症予防措置の徹底
  • 動物のストレス軽減対策

保健所による施設検査

申請後、保健所職員による実地検査があります。以下の点を重点的にチェック。

  • 区画分けの状況(ペットエリアと飲食エリアの完全分離)
  • 手洗い・換気・清掃設備の整備状況
  • 調理器具・冷蔵設備の設置状況
  • ゴミ・廃棄物処理体制
  • 食品衛生責任者の配置確認

ここで不備があれば、許可が下りません。必ず事前相談を行って確認を。

動物取扱業登録の流れ

  • 管轄保健所・動物愛護センターへ事前相談
  • 書類提出(資格証明、管理計画、設備図面など)
  • 施設確認・実地検査
  • 登録証交付

自分で申請する場合の注意点

自分で手続きを行う場合、以下の点に十分注意しましょう。

  • 事前相談を怠らないこと
    保健所・動物指導センターの担当者に、必ず事前相談をして設備基準・区画分けについて確認を。
  • 申請書の記入ミス・添付漏れ
    図面の寸法記載忘れ、設備の記載漏れなどがよくあります。
  • 動物取扱責任者の資格要件不足
    資格証明の写しがない、実務経験年数の証明不足など。
  • 管理規程が不十分
    動物の健康管理・緊急時対応・苦情処理方法を細かく記載しないと不備で再提出。
  • 保健所・都道府県との事前相談不足
    事前相談をせずに申請し、後から基準不適合を指摘されるケースも。
  • 検査日程の調整ミス
    開業準備のスケジュールと行政側の検査日程をうまく調整しないと、開店が遅れることも。
  • 動物の区画と飲食スペースの分離
    この点を誤ると、飲食店許可も動物取扱業登録も下りません。

「図面を一から作るのが大変」「管理規程ってどう書くの?」という方は、行政書士に相談するとスムーズです。

行政書士に依頼する場合の流れとメリット

ペットカフェの開業には、動物取扱業登録と飲食店営業許可という2つの手続きが必要ですが、それぞれに書類作成・基準確認・役所への申請・事前相談と手間がかかります。

ここで行政書士に依頼するメリットと流れをまとめます。

行政書士に依頼する流れ

初回相談・ヒアリング

 開業予定の内容、店舗の規模、扱う動物の種類、メニューの内容などを詳しく聞き取り。

必要書類と設備要件の確認

 図面や設備の配置、管理ルール、資格の有無などを確認し、不足があれば指示・サポート。

動物取扱業登録と飲食店営業許可の事前相談

 行政書士が事前に保健所・都道府県に相談し、問題点を洗い出して調整。

書類の作成・代理提出

 申請書類・図面・管理規程・誓約書などを作成し、行政書士が代理で提出。

現地検査の立会い・対応フォロー

 動物取扱業の検査や飲食店許可の検査に立会い、指摘事項があればその場で対応助言。

許可証の受領と登録完了報告

 許可証を行政書士が代理受領し、開業の準備完了をサポート。

行政書士に依頼するメリット

  • 要件確認の漏れが防げる
  • 書類の不備・記入ミスによる差し戻しを回避
  • 保健所・都道府県との折衝も任せられる
  • 現地検査のアドバイスが受けられる
  • 申請の手間・時間を大幅カット

初心者の方は特に「動物の管理ルールや施設基準」「動物取扱責任者の資格要件」などでつまずくケースが多いので、経験豊富な行政書士を活用するのがおすすめです。

よくある違反事例5選

実際に開業後に行政指導や取消しになる事例もあります。代表例をまとめます。

  1. 動物の体調不良を放置
    適切な治療・隔離措置を取らず営業を続行。
  2. 管理規程を守っていない
    夜間の動物の健康管理記録を取っていない。
  3. 許可のない動物を展示・販売
    登録した動物以外を扱って指摘。
  4. 飲食エリアと動物ふれあいエリアの分離不備
    仕切りが不十分で衛生基準違反。
  5. 登録内容の変更届出忘れ
    責任者変更・営業時間変更などの届け出を怠り、無届営業扱い。

開業後も定期的に自分で基準を見直し、必要に応じて行政書士に点検相談するのが安全です。

登録後の義務と注意点

許可取得後も、定期的な義務があります。以下をしっかり押さえましょう。

動物取扱業の義務

  • 動物の健康管理の記録
    毎日の給餌・健康状態の記録保存。
  • 管理規程の遵守
    苦情対応、事故発生時の通報手順も明記・実行。
  • 表示義務
    店内・HP・名刺などに登録番号・業種・責任者名・登録年月日を表示。
  • 5年ごとの登録更新
    更新忘れは無許可営業扱いで罰則対象。

飲食店営業許可の義務

  • 衛生管理の記録
    清掃・消毒の記録を作成。
  • 食品衛生責任者の設置
    退職・変更時は速やかに届け出。
  • 保健所の立入検査
    随時実施。違反があると営業停止も。

開業後の管理を怠ると、最悪営業停止になることも。
開業後も行政書士や保健所との連携を大切にしましょう。

まとめ

ペットカフェの開業には、飲食店営業許可と動物取扱業登録の2つの手続きが必要です。
それぞれの許可基準も細かく、設備・資格・管理ルールが厳格に定められています。

自分で申請するのも可能ですが、書類作成・行政との調整・スケジュール管理など不安も多いもの。

そんな時は行政書士のサポートを活用すれば、安心して開業準備を進められますよ。

次回予告

次回は、【ブリーダー業の開業|動物取扱業登録と繁殖制限のルール】について、繁殖業の登録方法・設備基準・行政手続きの流れをわかりやすく解説します!

お楽しみに!

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