■ はじめに

公正証書遺言を作りたいけれど、どんな書類が必要なの?

集めるのが大変そう…

こうしたご不安を多くいただきます。
実は、公正証書遺言の準備書類は “知っていれば簡単” です。
しかし 知らないと集め漏れが発生し、手続きが止まってしまう こともあります。
この記事では、行政書士として実務で使っている
「本当に必要な書類だけを整理したチェックリスト」 を公開します。
豊中市の公証役場での実務に基づいているため、そのまま使っていただけます。
公正証書遺言とは?
公証役場で、公証人が作成してくれる 法的に最も安全な遺言書 のことです。
公正証書遺言のメリット
- 無効になる心配がほとんどない
- 紛失・改ざんのリスクがない(原本は公証役場に保管)
- 公証人が正確に文言を調整してくれる
- 行政書士が書類作成・調整を全面サポートできる
- 相続発生後の手続きがスムーズ
“確実に使える遺言書”を作りたい方に最適です。
公正証書遺言に必要な書類一覧(まずはこれだけでOK)
以下は 行政書士の実務基準(豊中) でまとめた書類です。
まずは最低限、ここだけ押さえれば準備は完了します。
■公正証書遺言の準備書類チェックリスト
| 区分 | 必要書類 | 備考 |
|---|---|---|
| 本人(遺言者) | 本人の戸籍謄本 | 最新のもの(本籍地の市区町村で取得) できれば出生まで遡り取得 |
| 本人(遺言者) | 住民票 | 公証役場確認用 |
| 相続人関係 | 全ての相続人の戸籍謄本 | 相続関係を確定するため |
| 相続人関係 | 相続関係説明図 (行政書士作成可) | 必須ではないがあるとスムーズ (必要に応じて法定相続情報一覧図を作成) |
| 財産関係(不動産) | 登記事項証明書 (法務局) | 正確な記載が必要のため (できれば名寄せ帳を取得し、不動産の所有情報を網羅的に把握) |
| 財産関係(不動産) | 固定資産評価証明書 | 公証役場が手数料算定に使用 |
| 財産関係(預貯金) | 通帳の写し | 残高は不要、口座番号の確認用 |
| 財産関係(株式) | 証券会社の残高報告書 | 銘柄・数量確認用 |
| その他 | 実印 | 公証役場で必要 |
書類の取り方を“できるだけ簡単に”説明します

どこで取るの?

どうやって取るの?

という疑問が多いので、初心者向けに解説します。
- 戸籍謄本の取り方
本籍地の役所で取得
郵送でもOK
行政書士が代行可能(委任状不要の場合あり) - 登記事項証明書(不動産の登記簿)
最寄りの法務局
オンラインで取得可能
間違いを防ぐため、行政書士が取得すると確実です - 固定資産評価証明書
不動産の所在地の市区町村役場で発行
公証役場はこれを元に手数料を計算します - 預貯金・証券の情報
通帳のコピー
証券会社の残高報告書
ネット銀行は画面印刷でも可能
(残高証明の取得は金融機関により必要な書類に違いあり)
公証役場に提出する書類(行政書士が代行)

公証役場では、
「誰に」「何を」「どれだけ」渡すのか
を正確に判断する必要があります。
そのため、以下の書類などを提出します。
- 提出書類一式(戸籍・評価証明書など)
- 遺言内容の草案
- 資料一覧
- 証人に関する情報(行政書士側で手配可)
- 実印
書類が多く感じるかもしれませんが、あなたが用意するのはごく一部で、残りは行政書士が整えるため負担は最小です。
公正証書遺言の作成当日の流れ
公正証書遺言の作成当日は、
「初めてで不安…」という方でも、
実はとてもシンプルで安心できる流れになっています。
行政書士が同行する場合は、
あなたはほとんど聞いて、最後に署名、押印するだけです。
公証役場の入口で、行政書士と合流します。
一人で受付に行く必要はありません。
- 受付の流れ
- 待合室の案内
- 必要書類の提出
すべて行政書士が行うため、
あなたはイスに座っているだけで大丈夫です。
公証人(法律の専門家)が
落ち着いた口調で、遺言書の内容を読み上げてくれます。
専門用語は使いません。
分かりやすい日本語で説明してくれます。
不安な所があれば、その場で質問できます。
内容を聞きながら、
「この内容で間違いないか?」
「これを誰に、どれぐらい渡したいのか?」
を再確認します。
疑問があっても心配いりません。
- 「ここの言い回しはどうなりますか?」
- 「この財産は入れた方が良いですか?」
など、気になることはその場で解決できます。
問題がなければ、いよいよ署名です。
- 当日のペンは用意されています
- 実印を押印(印鑑登録証明書)
※運転免許証と認印でも可能な場合あり
署名が終わると、証人2名(行政書士が手配可)も署名、押印します。
署名が終わると、公証人が内容を最終的に確定します。
これで “法的に完全な遺言書” が完成です。
当日はあなたの手元に
- 遺言書の謄本(コピー)
- 手続きの控え
が渡されます。
原本は公証役場に保管されるため、紛失や盗難の心配は一切ありません。

行政書士が入るメリット
行政書士がサポートに入ることで、遺言書づくりが “圧倒的に簡単に、そして安全” になります。
以下は初心者にも分かりやすいよう“日常の例え” を用いて説明します。
① 書類の集め漏れがゼロになる
公正証書遺言は「準備書類が命」です。
1つでも欠けると手続きが止まります。
行政書士は
「必要書類が全てそろうパズルの設計図」
を持っているので、集め漏れが起きません。
② 相続人の漏れを防げる
相続人の漏れは遺言の重大トラブルです。
例:
- 前妻の子がいた
- 相続人が遠方にいた
- 離婚・再婚で戸籍が複雑
行政書士が戸籍を全部取得して、相続人の全員を確実に把握 します。
③ 不動産の記載ミスがなくなる
公証役場が最も気にするのが 不動産の記載ミス。
- 住所の番地が違う
- 地番が違う
- 登記情報と一致しない
これらはプロが見ないと分かりません。
行政書士が登記事項証明書を正確に読み取り、ミスゼロで公証役場へ提出できます。
また場合により、名寄せ帳を取得し、所有している不動産を網羅的に把握し、遺言書への記載漏れを防ぎます。
④ 公証役場とのやり取りをすべて任せられる
「電話が苦手」
「専門用語が不安」
という方も多いですが、
行政書士がすべて対応します。
- 公証人との打ち合わせ
- 書類の提出
- 日程調整
- 当日の同行
- 証人の手配
全部おまかせでOKです。
⑤ 家族トラブルを未然に防げる
「誰にどれぐらい残すか」で迷う方が多いです。
行政書士は実務経験により、“家族関係を壊さずに残す方法”を一緒に考えることができます。
⑥ 当日も同行してサポートしてくれる
初めての場所、初めての手続き。
緊張するのは当然です。
行政書士が同行することで、小さな不安もすぐ解消できます。
行政書士に依頼するデメリット
行政書士に依頼することには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
① 費用がかかる
専門家へ依頼する以上、報酬という形で費用は発生します。
お願いする前に、かかる費用を教えてもらい、納得の上で依頼するようにした方がいいでしょう。
② 公証役場費用が別途必要
公正証書遺言は公証人の手数料がかかります。
行政書士ではなく「制度上の費用」ですが、追加料金として感じる方もいます。
③ 相続内容によっては他士業との連携が必要
行政書士は
- 不動産登記(司法書士の業務)
- 相続税申告(税理士の業務)
は行えません。
ただし、行政書士が窓口となって信頼できる専門家を紹介することも可能です。
④ 家族全員が賛成するとは限らない
遺言書の内容は、家族全員が喜んでくれるとは限りません。
これは行政書士がお手伝いする場合も変わりません。
必要であれば、行政書士が家族への説明もサポート します。
⑤ 財産が多い・相続人が多い場合は時間がかかる
相続関係が複雑な場合は、作成まで時間を要します。
ただしこれは、手続きが慎重に行われている証拠でもあります。
公正証書遺言でよくある質問Q&A
- 誰でも作れますか?
- はい、15歳以上であれば誰でも作れます。
ただし、認知症など判断能力が著しく低い場合、作成できません。
また、そのような状態で作った遺言があった場合、無効となる可能性があります。
- 公正証書遺言の証人はどうすればいいですか?
- 公証役場や行政書士が手配できます。
ただし、未成年や推定相続人、親族などは証人となることはできません。
- 高齢で公証役場に行けない場合は?
- 公証人が自宅や施設に出張してくれます。
(別途主張費用が必要です)
- 不動産が遠方にあると面倒ですか?
- 登記事項証明書を取得できれば問題ありません。
行政書士が代行可能です。
まとめ:準備書類さえ揃えば、公正証書遺言は驚くほどスムーズ
公正証書遺言は、準備が9割です。
必要書類をしっかり揃えておくことで、当日の手続きが驚くほどスムーズに進みます。
キリヒラク行政書士オフィスでは、
- 書類の収集
- 相続関係図の作成
- 公証役場との調整
- 当日の同行
まで 全てサポート します。
「初めてで不安…」という方こそ、
どうぞ安心してご相談ください。
ご相談はこちらから!
