
こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。
今回は「移動動物園」や「動物ふれあいイベント」を開くときに必要な手続きについて、わかりやすく解説します。
最近は、ショッピングモールや地域のお祭り、学校の行事などで、動物とふれあえるイベントがとても人気ですよね。
ですが、実はこれ、ただ動物を連れてきてふれあいの場を作るだけでは違法になってしまう場合もあるんです。
この記事では、
✅ 必要な手続き
✅ 注意するべき現場のルール
✅ 行政書士に依頼する場合の流れとメリット
✅ よくある違反事例
✅ 登録後の義務と注意点
まで、初心者の方にも丁寧に解説していきますね。
移動動物園・ふれあいイベントには「動物取扱業(展示)」登録が必要
まず、動物とふれあう場を設ける場合は、動物愛護管理法に基づく「動物取扱業」のうち【展示】の登録が必要です。
動物取扱業を営もうとする者は、都道府県知事等の登録を受けなければならない。
この登録を受けずにイベントを行うと、罰則(50万円以下の罰金)もありますので注意してくださいね。
所定の資格要件
動物取扱業の登録には、次のいずれかの資格要件が必要です。
- 半年以上の実務経験(動物の飼養管理や展示経験)
- 所定の資格を持っていること
【対象資格の例】
- 愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
- 動物看護師
- 日本小動物獣医師会認定の資格 など
実務経験か資格がないと登録できませんので、ここはしっかり確認しましょう。
飼育設備基準と現場の管理ルール
移動動物園やふれあいイベントでも、移動施設(ケージ・トラックなど)の設備基準があります。
代表的な基準は以下の通りです。
- 動物ごとに適切な広さのケージを準備
- 熱中症対策・冬季の防寒設備
- 排泄物の処理設備と消毒セットを携帯
- 見学者が動物に触れる際の安全措置(係員配置・ロープや柵の設置)
- 動物の体調確認記録の保管
さらに、イベント開催中は
- 1日2回以上の体調確認
- 異常があれば即時展示中止
- 飼養管理記録の作成・保存
が求められます。現場の管理はとても重要ですので、事前にしっかり準備しておきましょう。
自分で申請する場合の注意点
「費用を抑えたいから自分で申請したい」という方もいるかと思います。ただし注意点も。
よくあるつまずきポイント
- 必要資格や設備基準の見落とし
→ 所定の資格を持っていないと申請ができません。施設の広さや掃除のしやすさも要件があります。 - 自治体ごとの運用の違いを知らずに申請してしまう
→ 例えば、動物の種類によって管理ルールが細かく決まっていたり、事前相談を必須にしている自治体も。 - 書類の記載ミス・添付漏れ
→ ほんの小さなミスでも、受理されず再提出になることも。
自分で申請するなら必ず押さえたいこと
- 各自治体の動物愛護管理担当課に事前相談
- 申請マニュアルや必要書類の確認
- 設備基準や管理ルールをしっかり理解
- 資格の有無と動物種別の区分チェック
よくある違反事例5選
現場で本当によくある違反例をまとめました👇
- 動物取扱責任者の資格不備
→ 指定資格を持っていないスタッフを登録していた - 設備基準の未達成
→ 掃除しにくい構造、動物の逃走防止策が不十分 - 届出内容と実態の不一致
→ 許可した動物種と違う動物を扱っていた - 管理簿の未記載・記入漏れ
→ 飼育記録や販売記録をつけていなかった - 契約書・説明書面の不交付
→ ペットホテルで預かり時の説明義務違反
どれも「知らなかった」では済まされず、改善指導や場合によっては登録取り消しになることも。
行政書士に依頼する場合の流れとメリット

ペットイベントの開催許可や動物取扱業登録を、自分でやろうとすると「何をどう準備すればいいのか分からない」「役所に何度も足を運ぶことになりそう」と不安な方も多いと思います。
そこで頼れるのが、行政書士です!
行政書士に依頼した場合の流れを見てみましょう👇
行政書士に依頼する流れ
開業予定の場所・動物の種類・イベントの内容などをお伺いします。
動物取扱業登録に必要な資格・設備・管理方法などを確認し、不足がないよう事前に助言します。
行政書士が必要な申請書・添付書類をすべて作成し、記載漏れや不備を防ぎます。
提出先の自治体によって細かな運用が違うため、事前に役所と調整し、申請を代行します。
許可の際に行われる現地確認の対応方法もアドバイスし、必要があれば立会いやフォローも。
行政書士に依頼するメリット
- 申請漏れ・記入ミスを防げる
- 自治体ごとの細かなルールも把握済み
- 手続きのストレス・時間の節約
- トラブル事例を知っているので予防できる
- 開業後も契約書作成やトラブル対応を相談できる
とくに、初めて手続きする方や忙しい方にとって、行政書士のサポートはとても頼もしい存在です。
登録後の義務と注意点
登録を取ったらそれで終わり…ではありません!
日々の運営にもルールがあります。
登録後の主な義務
- 5年ごとの更新手続き
- 管理簿の記録と保存(販売・飼養・預かり等)
- 飼育環境・衛生管理の徹底
- 法定の説明・契約書の交付義務
- 動物取扱責任者の継続研修受講(3年に1回以上)
注意点
- 動物種・取り扱い内容を増やしたときは変更届
- 設備改修や移転時も届出が必要
- 違反があると改善指導・業務停止も
まとめ
動物取扱業登録は、ペットビジネスのスタートライン。
細かなルールや自治体ごとの運用もあるので、初めての方は特に事前相談と専門家の活用をおすすめします。
「うちの場合はどうなる?」と気になる方は、お気軽に行政書士へ相談してくださいね!
次回予告
次回は【第7回】
「ペット葬祭業の開業|火葬炉設置許可と動物取扱業登録(保管)の流れと注意点」を詳しく解説します!
火葬設備の許可と動物遺体の取扱いには独特のルールがありますので、ぜひご覧くださいね。
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