飲食店・バー・クラブ開業前に必見!風営法許可が必要なケースと手続きの流れを徹底解説

キリヒラク
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こんにちは、キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。

飲食店やバーを開業しようとお考えの方、「飲食店営業許可」さえ取れば営業できると思っていませんか?

実は、夜遅くまでの営業や接待行為を伴う営業には、風営法の許可が必要なんです。
これを知らずに営業を始めてしまうと、最悪の場合、営業停止や罰金、懲役刑まで受けるリスクも…。

この記事では、初心者の方にもわかりやすく、風営法許可の基礎から、行政書士に依頼する流れ・自分で手続きをする場合の注意点まで、実例も交えて丁寧に解説していきますね!

正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」といいます。
この法律は、風俗営業・深夜酒類提供飲食店営業・特定遊興飲食店営業などを規制する法律です。

飲食店営業許可と違い、営業形態や時間帯、接待行為の有無によって適用されます。

風営法許可が必要な実例20選

以下のような営業形態の場合、風営法の許可または届出が必要な場合があります。

実例営業形態
1キャバクラ
2ホストクラブ
3スナックで接待あり
4ラウンジで接待あり
5ガールズバーでカラオケ・接待
6バー・居酒屋で深夜0時以降の酒類提供
7カフェバーで深夜営業+お酌・カラオケ
8インターネットカフェで個室営業・深夜営業
9ゲームセンター
10クレーンゲームのみのゲームコーナー
11パチンコ店
12スロット専門店
13カラオケボックスで接待行為
14麻雀店(賭博なし)
15ビリヤード・ダーツバー(深夜営業)
16ダンスクラブ(遊興・接待あり)
17ライブハウス(接待行為あり)
18カフェでライブ・カラオケ+接待
19深夜営業のスポーツバー
20複合型アミューズメントスペース

飲食店営業許可との違い

まず、飲食店営業許可風営法許可の役割はまったく別物です。
以下のとおり、まとめましたので、参考にご覧ください。

項目飲食店営業許可風営法許可
根拠法食品衛生法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)
必要なケース飲食物を提供するすべての店舗接待行為・深夜営業・遊興行為のある営業
目的食品の衛生管理のため営業の態様・風俗秩序の維持のため
申請先保健所警察署(生活安全課)
営業時間の制限原則なし(条例により24時間営業も可)原則0時まで(条例で1時まで可)/届出営業は制限なし
接待行為の有無関係なしありの場合は必ず許可が必要
許可の審査基準衛生管理、施設設備用途地域、周辺環境、店舗構造、経歴・欠格事由など
許可の取得難易度比較的容易複雑・用途地域制限・警察の審査あり

例えば、居酒屋は飲食店営業許可だけで営業可能ですが、「店員がカラオケで一緒に歌う・お酌をする」などの接待行為を始めると、風営法の許可が別途必要になります。

営業時間と規制の違い

これもとても大事です。

営業形態営業時間の制限許可・届出の要否
通常の飲食提供のみ制限なし(条例による)飲食店営業許可のみ
接待行為ありの飲食店(風営1号)原則0時まで(条例により1時まで可)飲食店営業許可+風営法許可
深夜0時以降の酒類提供のみ0時以降も営業可(接待・遊興行為なしの場合)飲食店営業許可+深夜酒類提供届出

たとえばバーや居酒屋が0時を過ぎても酒類提供を続けるなら「深夜酒類提供飲食店営業届出」が必要
さらに「お酌」「カラオケ相手」「談笑」が発生するなら、風営法許可も必要

違反した場合の罰則

風営法営業を無許可・無届出で行った場合のリスクは非常に重く、以下のような罰則が科されます。

違反内容罰則
無許可で風営法営業(1号・5号等)2年以下の懲役または200万円以下の罰金
無届出で深夜酒類提供営業6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
虚偽の届出・報告6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
許可取消後の営業同上
警察の立入検査拒否・妨害50万円以下の罰金

さらに、営業停止命令や営業禁止命令(第26条)を受ける可能性もあり、実務上は店名公表・行政処分通知・近隣トラブル・再開困難といった重い社会的ダメージも伴います。

違反のリスクを避けるために、専門家のサポートを活用しましょう

ここまでご覧いただいたとおり、風営法に違反した場合には営業停止命令や罰金刑、さらには懲役刑という重い処分が科されるリスクがあります。

実際、知らずに営業していた結果、「無許可営業」とみなされてしまい、お店の信用失墜・閉店・行政処分につながるケースも少なくありません。

とくに、営業形態や営業時間、接待の有無などによって必要な許可・届出が細かく異なるため、「自分のお店はどれに該当するのか」「どの手続きをすればいいのか」がわかりにくいのが実情です。

行政書士に依頼することで、安心して営業準備ができます

こうした複雑な法令の判断や手続きをご自身で調べて行うのは相当な労力とリスクを伴います

そこで、風営法手続きの実務経験が豊富な行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • お店の営業形態に合わせて、必要な許可・届出を的確に判断してもらえる
  • 警察署への事前相談・必要書類の作成・図面の作成代行もすべて任せられる
  • 手続きの不備や漏れを防ぎ、開業までのスケジュールをスムーズに進行できる
  • 営業許可取得後も、変更届や更新手続きなどを継続サポートしてもらえる

行政書士に依頼する場合の流れ

行政書士に依頼すると、次の流れで進みます。

営業内容・店舗所在地の確認

初回相談。
開業予定地と営業形態をヒアリング。用途地域や規制の有無を調べます。

用途地域の調査

市区町村の都市計画課で、その場所が風営法営業できる用途地域か確認。
禁止地域なら営業不可。

店舗図面の作成

営業所内の出入口、客室、厨房、トイレ、カウンターの位置などを正確に記載した図面を作成。

必要書類の準備

営業許可申請書、誓約書、住民票、身分証明書、用途地域証明書、図面、履歴書、登記簿謄本など。

警察署への事前相談

図面や書類を持参し、警察署(生活安全課)で事前相談。営業内容の確認と図面のチェック。

申請書類の提出

警察署へ申請。
受付後、補正が求められることも。

審査・立入検査

書類審査と、店舗の現地調査(立入検査)があります。

許可証の交付

問題なければ申請から約40〜50日で交付。

自分で手続きをする場合の流れ

もちろん、自分でもできますがかなり手間がかかるので注意。

営業内容の確認

自分の営業形態をしっかり整理。接待行為・遊興行為の有無を確認。

用途地域の確認

市区町村の都市計画課で、該当地の用途地域を確認。不可なら別の場所へ。

図面の作成

消防法・風営法の規定に沿った詳細な図面を自作。誤りが多いと補正命令。

必要書類の収集

住民票、身分証明書、用途地域証明書、履歴書などを自分で用意。

警察署への相談

生活安全課に事前相談を行い、問題点がないか確認。

申請書類の提出

全書類を警察署に提出。

補正・修正対応

指摘があれば再提出や修正対応。

立入検査・許可証交付

店舗の立入検査後、問題がなければ許可証交付。

よくあるトラブル・注意点

  • 用途地域制限で許可不可
    商業地域・近隣商業地域以外では営業不可のケースが多い。
  • 図面の記載漏れ・不備
    特に寸法・出入口の方向・トイレの配置・視界制限の記載ミスで補正命令。
  • 接待行為の認識不足
    「乾杯の相手をする」「カラオケで隣に座る」も接待に該当し、許可なしだと違法。
  • 深夜営業届出の未提出
    0時以降営業するのに届出しないまま営業→警察の立入・指導・営業停止。
  • 立入検査時の違反指摘
    無許可営業・図面と現状の相違・消火器や避難経路の不備で許可取消も。

まとめ

風営法許可は、接待行為の有無と営業時間で必要かどうかが決まります。
営業前にしっかりと確認し、必要であれば速やかに行政書士に相談しましょう。

許可なしの営業は、営業停止・罰金・懲役刑のリスクもありますので注意が必要です。

これまでお話ししました手続きを正確に行い、安心して営業を始めるためにも、まずは専門の行政書士にご相談されることをおすすめします。

次回予告

【第6回】古物営業許可とは?リサイクルショップ・ネットオークションにも必要な許可の実態を解説

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