【動物保護団体の設立・法人化手続きと動物取扱業登録|初心者にもわかりやすく解説】

キリヒラク
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こんにちは。キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です。

リク
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動物たちの命を守りたい

アイミ
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保護活動を本格的に始めたい

キリヒラク
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そう考えている方も多いですよね。最近は、個人で保護活動をされている方が法人化するケースも増えてきました。

でもいざ団体を立ち上げようとすると、「法人ってどうやって作るの?」「動物取扱業って必要なの?」と分からないことだらけ…。

そこで今回は、動物保護団体の設立・法人化手続きと動物取扱業登録について、行政書士目線でやさしく、わかりやすく解説します!

動物保護団体とは、主に保護犬・保護猫を保護し、里親探しを行ったり、譲渡会を開催したりする団体のことです。

団体の形態はさまざまで、

  • 個人グループ
  • NPO法人
  • 一般社団法人

といった形で活動できます。

規模が大きくなったり、寄付を受けたり、施設を持ったりする場合は法人化しておくと安心ですし、信用度もグッと上がります。

法人を作るなら「NPO法人」と「一般社団法人」が主流

法人化する場合、以下のどちらかを選ぶのが一般的。

  • NPO法人:公益性の高い活動を行う非営利法人。
    寄付金控除の対象にもなる可能性あり。設立には所轄庁の認証が必要で少し手間はかかる。
  • 一般社団法人:営利・非営利問わず法人格を取得できる。
    設立は比較的簡単で、登記すればすぐ法人化可能。

法人の設立登記は司法書士の独占業務になります。
行政書士は設立に関する書類作成や設立認可申請のサポートはできますが、登記手続き自体は司法書士の先生に依頼する必要があります。
もちろん、行政書士が窓口になり、行政書士から司法書士に登記を依頼する方法でOK。

動物取扱業登録も必須です!

動物保護団体は、保護した動物を一時的に預かったり、譲渡会を開催したりすることが多いですよね。

この活動、実は動物愛護法に定める動物取扱業「保管」または「譲受飼養」に該当する場合が多いんです。

例えば…

  • 保護犬猫をシェルターで一時預かる → 保管
  • 多頭飼育崩壊から保護した動物を保護して飼養する → 譲受飼養
  • 譲渡会を開く → 展示

これを無登録で行うと罰則の対象になってしまいますので、必ず事前に動物取扱業登録を取っておきましょう。

動物取扱責任者の資格要件は?

登録には動物取扱責任者の専任が義務付けられています。

要件は以下のいずれか。

  1. 半年以上の実務経験
    動物取扱業に関する仕事(保護活動や譲渡会の運営なども含む)を6か月以上。
  2. 動物関連資格の取得
    愛玩動物飼養管理士・ペット看護師・トリマー資格など、都道府県が認める資格。
  3. 専門学校等で1年以上動物について学び卒業
    動物系専門学校や大学の動物学科を卒業している場合。

この3つのうち、どれかを満たしていないと責任者になれませんので、法人化する前に確認しておくのがおすすめです。

設備基準と管理ルールもチェック!

動物取扱業登録には施設基準もクリアしなければなりません。

例えば…

  • 動物の飼養スペースの広さ・清掃しやすい材質
  • 適切な温度・湿度管理ができること
  • 動物の逃走防止のための設備(施錠・仕切り)
  • 定期的な健康管理、給餌・給水、糞尿処理ルール
  • 緊急時の避難計画

自宅をシェルターにする場合も適用されるので、開業予定地の自治体の施設基準を必ず確認してください。

自分で申請する場合の注意点

動物取扱業登録は都道府県の動物愛護管理担当課へ申請します。流れはざっくりこうなります。

  1. 事前相談(必須)
  2. 書類準備
  3. 申請書提出
  4. 施設検査
  5. 登録証交付

注意すべきポイントは…

  • 事前相談が必須
    相談せずいきなり書類を出しても受け付けてくれません。
  • 必要書類が多い
    動物取扱責任者の資格証明・施設図面・使用承諾書など。
  • 施設基準の不備で検査NGが多い
    設備の扉が施錠できない、掃除しにくい、換気設備がない等

実際、自分でやって1〜2回申請を差し戻されるケースがかなり多いので、不安なら行政書士に相談するのがベストです。

よくある違反事例5選

こんなトラブル、現場で本当に多いです。

  1. 登録を取らずに譲渡会開催 → 無許可営業で指導
  2. 動物取扱責任者の実務経験が足りず登録不可
  3. 施設基準を満たさないシェルターでの飼養 → 検査不合格
  4. 登録の名義と実態の運営者が違う → 行政指導対象
  5. 登録更新を忘れて営業継続 → 罰則+再登録手数料

いずれも軽視できない内容なので、事前に要件チェックをしっかり行いましょう。

行政書士に依頼する場合の流れとメリット

アイミ
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動物取扱業登録って、自分でやると難しそうだし時間もかかりそう…

キリヒラク
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と感じる方、多いと思います。実際、書類の作成や施設基準の確認、役所とのやりとりなどやることがたくさんあって、初めてだと不安も多いんです。

そこで頼りになるのが行政書士。

では、依頼するとどんな流れになるのか、具体的に見てみましょう!

行政書士に依頼する場合の流れ

初回相談・ヒアリング

現在の状況や、どんな動物をどのように保護・譲渡したいのか、保護場所(シェルター)がどこにあるか、動物取扱責任者は誰がなるのかなどを詳しくお伺いします。

必要書類のご案内・収集サポート

動物取扱責任者の資格証明書や施設の平面図、使用承諾書(賃貸なら大家さんの承諾)など、必要書類をリストアップし、取得の方法まで丁寧に説明。必要なら取得代行も可能。

施設基準の確認とアドバイス

シェルターや保護場所が、都道府県の定める基準を満たしているか現地確認。

もし足りない点があれば改善方法を具体的にアドバイスします。

行政との事前相談を代行

動物取扱業登録は事前相談が必須

役所との相談・打ち合わせも行政書士が代わりに行うので安心です。

申請書の作成と提出代行

複雑な申請書や添付書類を行政書士がすべて作成し、窓口への提出も代行。

施設検査への立会いとフォロー

検査当日、行政書士が立ち会って対応。もし指摘があればその場でフォローし、後日の改善方法もサポートします。

登録完了・証明書交付後のフォロー

登録証が交付された後も、今後の義務や記録方法、研修の案内などを丁寧にご説明。

行政書士に依頼するメリット

  • 面倒な書類の作成を丸投げできる
    特に施設図面や申請書類一式の作成は経験がないと大変。行政書士ならスムーズに対応。
  • 施設基準の不備を事前にチェックしてもらえる
    自分で気づきにくいポイントもプロ目線で確認し、改善アドバイスも。
  • 役所との相談・やりとりを代行
    初めてだと不安な行政との交渉・事前相談も代行するのでストレスフリー。
  • 法人設立もまとめて相談できる
    動物保護団体を法人化する場合も、司法書士と連携して登記までワンストップで対応可能。
  • 開業後の記録方法・義務もフォローしてもらえる
    飼養記録や譲渡記録、研修の案内なども含め、アフターフォローも安心。

登録後の義務と注意点

登録が終わったら、そこからが本番!

動物取扱業には継続して守らなければならない義務があります。怠ると行政指導や最悪登録取消の可能性もありますので要注意です。

では、どんな義務があるのか一つずつ解説しますね。

主な義務

  • 飼養・管理記録の作成と保存
    動物の種類・頭数・譲渡日・譲渡先・死亡日などを日々記録し、5年間保管する必要があります。
  • 譲渡記録も必須
    どの動物をいつ誰に譲渡したか、その相手の住所・氏名も記録し、保存します。
  • 動物取扱責任者の研修受講(年1回)
    都道府県等が実施する法定研修に必ず参加し、修了証をもらうこと。これを怠ると営業停止もありえます。
  • 施設の衛生管理
    毎日の掃除・消毒・給餌給水・温度湿度の管理などを徹底。
  • 動物の健康管理
    定期的な健康チェック、病気やけがの際の迅速な対応、必要に応じて獣医師と連携。
  • 登録内容の変更・廃止届出
    代表者の変更、施設の移転、業務内容の変更などがあれば10日以内に届出。これを怠ると罰則あり。

よくある注意点

  • 飼養記録・譲渡記録の未記載・紛失
  • 研修受講を忘れる
  • 施設の掃除や消毒の不備
  • 動物が逃げ出した事故の発生
  • 苦情への対応が遅い

これらは営業停止・登録取消の事例も実際に発生しているので、本当に注意が必要です。

まとめ

動物保護団体を法人化して正式に活動するには、法人の設立と動物取扱業登録が必須です。

設立登記は司法書士の独占業務ですが、それ以外の設立準備や登録手続きなら行政書士も心強いパートナー。
行政書士に依頼すれば、登録後の義務や記録の方法、研修の案内などもまとめてサポートしてもらえます。

「登録したら終わり」ではないので、その後も専門家に相談できる環境があると安心ですよ。

次回予告

動物取扱業登録の更新手続き・変更届出の実務と注意点|期限・届出忘れによるトラブル防止策」をお届けします!

登録後にありがちな「うっかり失効」や「変更届の提出忘れ」など、トラブル事例と対策をわかりやすく解説しますので、お楽しみに♪

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