【第9回】イベント・催し会場でのドローン飛行ルール徹底解説!許可の取り方・注意点と安全運用のコツまで

キリヒラク
キリヒラク

こんにちは、キリヒラク行政書士オフィスの行政書士 小寺です!
ドローンの飛行って「空さえ飛べば自由」みたいなイメージがあるかもしれませんが、実は場所や状況によって厳しいルールが決まっているんです。

特にイベントや催し物の会場での飛行は要注意。

ドローンの飛行は航空法や条例だけでなく、イベントごとに主催者や警察などの許可も必要になることをご存知ですか?

今回は、初心者の方にもわかりやすく、「イベント・催し会場でドローンを飛ばすにはどうすればいいのか?」を徹底解説しますね。

ドローンの飛行は、通常の場所でも航空法などの規制がありますが、イベント会場の上空は特にリスクが高く、ルールも厳しくなります。

具体的には以下の3つの法律・規制が関わります。

  • 航空法(特定飛行:催し場所上空の飛行)
  • 道路使用許可(会場周辺の道路利用)
  • 都道府県・市区町村条例(独自の飛行制限)

不特定多数の人が、特定の場所に集まることが事前に計画されている催しなどが、催し場所上空(イベント上空)に当てはまるわかりやすい例です。
例えば、花火大会・お祭り・マラソン大会・ライブ会場、地元のキッチンカーイベントなど、多くの人が集まる場所でドローンを飛ばすには、国土交通省の「許可・承認」が必須です。

さらに、イベント主催者の許可も必須です。
これを怠ると、航空法違反・業務妨害・安全配慮義務違反となりかねません。

飛行許可を取得するには?

以下の手順で進めましょう。

飛行計画の作成
  • 飛行日時
  • 飛行場所の地図添付
  • ドローンの種類・仕様
  • 操縦者の情報
  • 飛行エリア、飛行ルート、立入禁止区画の設定
  • 安全対策の計画

を記載した飛行計画を作成します。

添付資料の用意
  • 機体の性能確認書類
  • 安全対策の誓約書
  • 催し物の主催者からの同意書(場合によって)

を準備して、申請に添付します。

DIPS2.0でオンライン申請

国土交通省の「DIPS2.0」システムから飛行許可申請を行います。

国交省の審査を経て、問題がなければ許可・承認がおります。

有名イベントでのドローン飛行許可の10事例

1. 天神祭(大阪府大阪市)

概要:​日本三大祭りの一つで、毎年7月に開催される伝統的な祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 大阪府警察への事前通報。
  • 主催者(大阪天満宮)との事前協議。
  • 観客の安全確保のための詳細な飛行計画の提出。

2. 長岡花火大会(新潟県長岡市)

概要:​日本有数の花火大会で、毎年8月に開催。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 長岡市役所および主催者への事前申請。
  • 夜間飛行のため、追加の安全対策が必要。
  • 観客エリアとの距離を十分に確保。

3. 横浜開港祭(神奈川県横浜市)

概要:​横浜港の開港を祝うイベントで、毎年6月に開催。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 横浜市および港湾管理者への事前申請。
  • 海上での飛行となるため、海上保安庁への通報が必要。
  • 風速や天候の変化に対応した安全対策の計画。

4. 祇園祭(京都府京都市)

概要:​日本三大祭りの一つで、毎年7月に開催される伝統的な祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 京都市および主催者への事前申請。
  • 歴史的建造物が多いため、文化財保護の観点からの配慮が必要。
  • 観客の密集度が高いため、飛行ルートの綿密な計画が求められる。

5. 青森ねぶた祭(青森県青森市)

概要:​毎年8月に開催される、灯籠を用いた伝統的な祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 青森市および主催者への事前申請。
  • 夜間飛行となるため、追加の安全対策が必要。
  • 祭りの進行を妨げないよう、飛行時間帯の調整が求められる。

6. 札幌雪まつり(北海道札幌市)

概要:​毎年2月に開催される、雪と氷の彫刻が展示されるイベント。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 札幌市および主催者への事前申請。
  • 冬季のため、バッテリー性能の低下や滑走路の凍結に注意。
  • 観客の安全確保のため、飛行エリアの明確な区分けが必要。

7. 阿波おどり(徳島県徳島市)

概要:​毎年8月に開催される、踊りを中心とした伝統的な祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 徳島市および主催者への事前申請。
  • 踊り手や観客の動線を考慮した飛行計画の作成。
  • 音響機器との干渉を避けるための周波数管理。​

8. 博多祇園山笠(福岡県福岡市)

概要:​毎年7月に開催される、山笠を担いで街を練り歩く祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 福岡市および主催者への事前申請。
  • 狭い路地での飛行となるため、高度な操縦技術が求められる。
  • 観客との距離を保つための飛行ルートの工夫。

9. 名古屋まつり(愛知県名古屋市)

概要:​毎年10月に開催される、歴史的なパレードが特徴の祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 名古屋市および主催者への事前申請。
  • パレードの進行を妨げないよう、飛行時間帯の調整が必要。
  • 市街地での飛行となるため、電波干渉や建物との距離に注意。

10. 高山祭(岐阜県高山市)

概要:​春と秋に開催される、豪華な屋台が特徴の祭り。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 高山市および主催者への事前申請。
  • 歴史的建造物が多いため、文化財保護の観点からの配慮が必要。
  • 観客の密集度が高いため、飛行ルートの綿密な計画が求められる。

【番外編】サーフィンやスノーボード、マラソンなどのスポーツ競技大会など

概要:​サーフィンの国際大会や、スノーボードバンクドスラローム、国際マラソンなどの競技大会、コンサートや、地元のキッチンカーイベントなど。

許可取得のポイント

  • 国土交通省への飛行許可申請。
  • 大会主催者との撮影内容、飛行エリア、観客席の位置、立入禁止区画の設定協議
  • 補助者の設定。

安全運用のコツ

安全運用のための3つのコツ

  • 必ず事前現地調査を行う
    事前に飛行場所・観客の動線・危険物の有無を確認し、飛行ルートを決めておきましょう。
  • 安全要員の配置
    飛行中は補助者を配置し、観客との距離をしっかり保つ体制を整えましょう。
  • 飛行エリアの明示・立入制限
    離発着場付近はカラーコーンやテープで区切り、観客が誤って立ち入らないように工夫を。

許可取得をスムーズにするためのポイント

イベントでのドローン飛行許可をスムーズに取得するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。​

1. 早めの準備と申請

  • 理由:​イベント前は申請が集中し、審査に時間がかかる場合があります。
  • 対策:​飛行予定日の1〜2ヶ月前には申請を開始し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

2. 詳細な飛行計画の作成

内容

  • 飛行日時、場所、ルート、高度、立入禁止区画、補助者。
  • 使用するドローンの機種、性能。
  • 操縦者の資格、経験。
  • 安全対策(緊急時の対応、観客との距離確保など)。

理由:​詳細な計画は審査官の信頼を得やすく、許可取得の可能性が高まります。

3. 関係機関との事前協議

対象

  • イベント主催者。
  • 地元自治体。
  • 警察署、消防署。

理由:​関係機関との連携を図ることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな許可取得が可能となります。

4. 安全対策の徹底

内容

  • 飛行エリアの明確化:観客エリアとの距離を十分に確保し、侵入防止用のロープや看板で明示する。
  • 飛行前の点検:機体のバッテリー残量、GPSの受信状況、送信機と機体のリンク確認などを徹底。
  • 緊急時の対応計画:落下・墜落などの万が一の事故に備えた避難誘導、緊急着陸ポイントの確保、連絡体制を構築。
  • 第三者管理者の配置:飛行エリア外の第三者立ち入りを防ぐ係員の配置を行う。

理由

特にイベント会場では観客の密集、突発的な動き、天候急変などリスクが高く、許可審査でもここが最重要チェックポイントとなります。

安全計画書を作成し、申請書に添付するのがベストです。

5. 飛行許可申請の内容を丁寧に記載する

ポイント

  • DIPS2.0でのオンライン申請時も、イベント名称、開催日時、飛行理由、使用機体、飛行ルートを具体的に記載。
  • 添付資料には会場見取り図、飛行ルートマップ、イベント主催者の承諾書などを準備。
  • 審査官に疑問を持たせない、シンプルでわかりやすい申請内容にすること。

理由

曖昧な申請は補正依頼や不許可の原因に。明確な内容・裏付け資料を添えることで審査もスムーズに進みます。

6. イベント主催者との良好な関係構築

具体策

  • 飛行前の打ち合わせを行い、主催者の要望・NG事項を確認。
  • 主催者側の運営スタッフと連携し、飛行エリアの立入管理・観客誘導を協力体制で実施。
  • 飛行計画書や安全対策書を提出し、信頼を得る。

理由

イベント現場では主催者の協力なしにドローン飛行は実現しません。

信頼関係を築くことで、今後の飛行許可も取りやすくなります。

まとめ

イベント会場でのドローン飛行は、

  • 国交省の飛行許可+関係機関の許可・承諾が必要。
  • 早めの準備と詳細な飛行計画、安全対策が鍵。
  • 有名イベントは特に審査が厳しく、主催者との事前協議が必須。

飛行許可をスムーズに取得するには、

  • 1〜2ヶ月前の申請準備
  • 具体的な計画と安全対策の提示
  • 関係機関との密な連携

これを意識すれば、初心者でも安心してイベント撮影に挑戦できますよ!

違反した場合は、航空法違反での罰則(50万円以下の罰金)**もありますので、必ずルールを守って安全に飛ばしてくださいね。

もし、

リク
リク

申請の方法がわからない

アイミ
アイミ

安全対策って具体的にどうすればいい?

と迷われたときは、ぜひ行政書士に相談するのがおすすめ。

キリヒラク
キリヒラク

私も、ドローン専門の行政書士として申請代行や計画作成のお手伝いをしていますので、お気軽にお問い合わせください。

次回予告

次回は
「ドローンと著作権・肖像権」について徹底解説!
SNS投稿・イベント撮影の注意点まで、初心者向けに詳しくご案内します。

どうぞお楽しみに!

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