
こんにちは。大阪府豊中市の「キリヒラク行政書士オフィス」です。
今回は、近年注目されている【ドローンによる危険物の輸送】について、初心者の方にもわかりやすく、丁寧に解説していきます。

そもそも危険物って何?

ドローンで輸送って本当にできるの?
法律的な許可はどうすれば?

そんな疑問やお悩みに寄り添いながら、行政書士としての視点でお答えしていきます。
ドローンによる「危険物の輸送」とは?
ドローンで“危険物”を輸送する行為は、航空法において「特定飛行」に分類されます。
特定飛行とは、通常の飛行よりも高いリスクを伴うとされ、国土交通省への許可・承認が必要です。
危険物とは何か(定義)
危険物とは、以下のように爆発・発火・毒性・腐食性などの性質を持ち、輸送にあたり特別な配慮が必要な物を指します。
- 航空法施行規則194条第1項
第1号 火薬類
第2号 高圧ガス(引火性ガス、毒性ガス、その他のガス)
第3号 引火性液体
第4号 可燃性物質類(可燃性物質、自然発火性物質、水反応可燃性物質)
第5号 酸化性物質類(酸化性物質、有機過酸化物)
第6号 毒物類(毒物、病毒を移しやすい物質)
第7号 放射性物質等
第8号 腐食性物質
第9号 その他の有害物件
第10号 凶器 - 航空法施行規国際民間航空機関(ICAO)の定める危険物基準
- 消防法における「危険物(例:ガソリン、灯油など)」
ドローンで危険物を運ぶ場面とは
意外かもしれませんが、ドローンによる危険物の輸送は、すでに実用化が進んでいる分野でもあります。次の章で、実例をご紹介します。
危険物輸送の事例10選
危険物の内容 | 輸送の理由 |
---|---|
医療用酸素ボンベ | 災害時、孤立地域への緊急輸送 |
消防用発煙筒 | 山火事現場への早期到達 |
農薬(ドローン農業) | 広範囲散布用の補充物資 |
バッテリー(リチウム) | 山間部での調査用ドローンの補給 |
小型ガスボンベ | アウトドアやキャンプ地支援 |
塗料(引火性あり) | 建設現場での遠隔作業補助 |
ドライアイス(冷媒) | 臓器輸送の保冷材 |
医薬品(毒性含む) | 離島・へき地の医療支援 |
工業用溶剤 | 無人点検作業の補給物資 |
殺虫剤(危険性あり) | 林業などでの局所噴霧 |
どれも、地上では時間やコストがかかるケースばかり。ドローンだからこそ、迅速かつ効率的な対応が可能なのです。
ドローンパイロットが注意すべきこと
危険物を運ぶ以上、パイロットには高い責任が求められます。注意すべきポイントを以下にまとめました。
- 法律遵守(航空法・消防法・危険物規則)
- 飛行経路の安全確保(第三者・建物からの距離)
- ドローンの整備状況・バッテリー管理
- 天候判断・緊急着陸の想定
- 輸送物の固定・漏洩防止
「ちょっと飛ばしてみよう」では済まないのが、危険物輸送の世界です。
危険物をドローンで輸送する流れ(フロー)
概要
事前準備 → 許可申請 → 機材調整 → 輸送実施 → 事後報告
具体的内容
・運ぶ物が「危険物」に該当するかの確認
・飛行経路の選定
・必要な保険の確認
・航空局への飛行申請(DIPS2.0)
・必要に応じて消防や自治体との調整
・安全計画の提出
・輸送用ケースの固定
・GPS・センサーの確認
・飛行シミュレーション実施
・天候確認後、関係者と連携して飛行
・万が一に備え、緊急連絡体制を整備
・飛行実績の記録
・今後の改善点を洗い出し
ドローンで危険物が輸送が可能になった背景
- 災害・孤立地域の支援需要
- 物流の人手不足
- 医療や災害対応での迅速化の必要性
- ドローン技術の進化(安定性・積載量)
- 法整備の進展(レベル4飛行など)
特にコロナ禍以降、「非接触物流」の必要性が社会全体で高まりました。
これが危険物輸送の実用化を後押ししています。
無許可で飛行したときの5つのリスク
罰則・行政処分 | 最大50万円以下の罰金や飛行禁止命令が下る可能性 |
事故時の賠償責任 | 火災や爆発が起きた場合、全責任を負うリスク |
保険が適用されない | 無許可の場合、保険対象外となる可能性大 |
社会的信用の喪失 | 企業・自治体との信頼関係に大きな傷がつく |
ドローン自体の押収・使用制限 | 違反により機体没収の恐れもあり |
危険物輸送においては、「やってみた」では済まされません。確実な許可と計画が必要です。
ドローンの危険物の輸送における行政書士の役割とは?
ドローンによる危険物輸送では、行政手続きが非常に煩雑です。
行政書士は、
- 航空局への飛行許可・承認申請
- 必要な添付書類(飛行計画、安全対策書など)の作成
- 自治体・消防署との連絡調整
- スケジュールに沿った計画サポート
といった形で、ドローンパイロットや企業様を強力にサポートできます。
まとめ
ドローンで危険物を輸送する時代が、すでに始まっています。
それは決して特別な話ではなく、法律と安全性をしっかり理解していれば、誰でも挑戦できるものです。

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- 現役のドローンパイロット・ドローン講師資格を持つ行政書士が対応
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迷ったとき、困ったとき、申請に悩んだときは、キリヒラク行政書士オフィスがあなたの力になります。
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